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2017年2月 7日 (火曜日)

魅力的なテナー&バリトン・サックス 『The Underdog』

以前、ジャズ喫茶の特集本を見ていて、このアルバムに出会った。しかし、それまで全く知らなかったこういうアルバムが、こういうサックス奏者の好盤が何気なく出てくるのだから、ジャズって恐ろしい。その「ジャズ喫茶の特集本」を読んだのが、今から15年ほど前。ジャズを聴き初めてから、20年ほど、僕はこのアルバムの存在を全く知らなかった。

Turk Mauro『The Underdog』(写真左)。1977年の録音。Turk Mauro(ターク・マウロ)の記念すべきデビュー作。ちなみにパーソネルは、 Bob Cranshaw, Tom Barney (b), Turk Mauro (bs, ts), Al Cohn (ts), Ben Riley (ds), Hugh Lawson (p)。ベーシスト2名が3曲ずつを分担する。そして、3曲ほど、リーダーのマウロにアル・コーンのテナーが絡む。

実に魅力的なテナー&バリトン・サックスである。まず、15年ほど前、僕はこの「ターク・マウロ」を全く知らなかった。今でもあまり知らない。それでも、このアルバムだけは覚えていて、このアルバムだけはたまに聴き直す。そして、聴き直す度に、あぁ〜この人のサックスはなんて魅力的なんだ、と感じ入る。
 

The_underdog1

 
好盤というのは、リーダーの楽器だけが良い、という訳では無い。サイドマンの演奏も良くないと「好盤」とは呼べない。そういう意味でいくと、このアルバムでのベース音が実に「エグイ」。重低音を響かせながら、ブンブンと鋼の様にしなやかに豊かになる。実にソリッド。超弩級のウォーキング・ベースである。

そして、ヒュー・ローソンのピアノが良い。控えめながら躍動感溢れる「バップな」ピアノ。1977年の録音という情報を見て、思わず耳を疑うほど、明確にハードバップなピアノ。ベン・ライリーのドラムも良い。ポリリズムを駆使しつつ、徹頭徹尾、フロントのサックスを鼓舞し続ける、堅実かつ安定のドラミング。

マウロのバリトン&テナー・サックスを心ゆくまで堪能できる好盤です。バックのリズムセクションが優秀なので、マウロのサックス・プレイに集中して聴き込むことができるのが有り難い。「ブリブリッ」と低音鳴り響くブリリアントな音色が聴こえてきそうなジャケットも優秀。良いアルバムです。ジャズ喫茶御用達な一枚です。

 

★震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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