ジャズ喫茶で流したい・100 『Conférence De Presse... L'Intégrale』
このアルバムは良い。聴いていてとても楽しい。しかも、聴いていて、双方のテクニックが優れていて、双方のアドリブ感覚が素晴らしい、ということが良く判る。ジャズって、聴いていて楽しいことがとっても大事。そういう意味では、このアルバムはジャズとして「満点」である。
Eddy Louiss & Michel Petrucciani『Conférence De Presse... L'Intégrale』(写真左)。 Eddy Louiss (org), Michel Petrucciani (p)。1995年、フランスは Dreyfus Jazz からのリリース。ありそうでなかなか無いオルガンとピアノのデュオ。
オルガンとピアノ。どちらも鍵盤楽器。鍵盤楽器同志がデュオをやったら、変に被ったらデュオの良さがすっ飛んでしまう。テクニックが優秀で、アドリブ展開での反応が優れていないと上手くいかない。そういう意味で、アドリブ展開の反応がとびきり優れているオルガン奏者って、なかなかいない。
Eddy Louiss(エディ・ルイス)は、フランスのオルガン奏者。僕はこのデュオ盤で、エディ・ルイスの存在を知った。テクニック優秀、オルガンの奏法として、かなりプログレッシブなオルガニストである。オーソドックスな奏法からアブストラクトな奏法まで、幅広くオールマイティーに弾きまくる、実に優れたオルガン奏者である。
そんなエディ・ルイスが、ジャズ・ピアノの巨匠、ミシェル・ペトルチアーニとデュオを組んで、丁々発止とやりあう、ほんと、聴いていてとても楽しいデュオ盤である。ボリューム的にCD2枚組の分厚さ。トータル2時間ちょっとの収録時間なのだが、全く飽きない。聴き始めて、あっと言う間の2時間ちょっとである。
ピアノは打楽器と旋律楽器の両方を兼ねることが出来、ピアノだけで「ひとりオーケストラ」が出来る位の幅広い表現が可能な唯一の楽器なのだが、ペトルチアーニのピアノは、そのピアノの特性を最大限引き出し最大限の表現を見せつける。硬質なタッチに卓越したテクニック。耽美的でありつつダイナミズム満載。僕の大のお気に入りのピアニストの一人である。
ペトルチアーニのピアノが、ピアノの表現方法の全てを出しつつ、思いっきり疾走する。左手でベースラインを小粋に紡ぎ、右手でリズム&ビートを叩き出す。遠慮の無い全てを出し尽くペトルチアーニのピアノ。そこにルイスのオルガンが、あっさりとしたファンクネスを滴らせながら、官能的に弾き進んで行く。相性抜群。インタープレイの息もピッタリ。魅惑的なユニゾン&ハーモニー。
飽きない。全く飽きない。あっと言う間の2時間ちょっと。この優れたデュオ盤を聴いて、フランスは Dreyfus Jazz を改めて見直す。ジャズ喫茶の空間にピッタリの乾いたファンクネスが素敵な一枚。ジャズ喫茶御用達の一枚。
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