「多弁」なピアニストの最右翼
このところ、優れたジャズのライブ録音が聴きたくて、モントルー・ジャズ・フェスティバル(Montreux Jazz Festival)でのライブ盤を漁っている。モントルー・ジャズ・フェスのライブ音源はどれもが出来が良く、内容がある。つまりは「駄作」が無い。
モントルー・ジャズ・フェスに呼ぶジャズメンを厳選していること、そして、ジャズ・フェス自体の雰囲気が、ジャズメンの良い面、優れた演奏能力を必ず引き出す様な、「良い雰囲気」なんだろう。
モントルー・ジャズ・フェスのライブ盤を漁っていたら、モンティ・アレキサンダー(Monty Alexander)の『Montreux Alexander Trio Live!』を思い出した。モンティ・アレキサンダーかあ〜。
モンティ・アレキサンダーといえば「多弁」なピアニストの最右翼である。とにかく「多弁」。喧しい位に「多弁」。しかもファンクネス過多。加えて速弾きテクニック優秀。速弾きテクニックを駆使して、こってこてファンキーで「多弁」なピアニスト。タッチは明確でエッジが立っている。
そんなモンティ・アレキサンダーを確認できる好盤が、Monty Alexander『Uplift 2 Higher』(写真左)。2013年のリリース。ちなみにパーソネルは、Monty Alexander (p)に、John Clayton (b)+Jeff Hamilton (ds)のトリオと、Hassan Shakur (b)+Frits Landesbergen (ds)のトリオの2つのトリオで演奏を棲み分けている。
1曲目の「Battle Hymn」からご機嫌。多弁、良く動く指、爽やかな溢れんばかりのファンクネス。切れ味良いエッジの立った煌びやかなタッチ。日本語で言う「ごんべさんの赤ちゃんが風邪引いた」の歌詞で有名な「リパブリック讃歌」。アメリカ合衆国の民謡・愛国歌・賛歌であり、南北戦争での北軍の行軍曲。判り易くて俗っぽい曲やけど、思いっきりファンキー。
4曲目「You Are My Sunshine」から、5曲目「St. Thomas」の米国ルーツ・ミュージックからカリプソ。思いっきり俗っぽくてファンキーな曲を、モンティ・アレキサンダーは多弁、良く動く指、爽やかな溢れんばかりのファンクネスを撒き散らして、弾きまくっていく。
極めつけは、8曲目「What a Friend」。邦題「いつくしみ深き」。「いつくしみふかき ともなるイエスは」で始まる、むっちゃポピュラーな賛美歌である。このむっちゃポピュラーな賛美歌を、やっぱし、モンティ・アレキサンダーは多弁、良く動く指、爽やかな溢れんばかりのファンクネスを撒き散らして、バッシバシ弾きまくっていく。
モンティ・アレキサンダーばかりを聴き続けると、3枚目くらいで「もうお腹いっぱい」とばかりに聴くのを中断してしまうほどの「多弁ぶり」である。しかし、良く動く指、爽やかな溢れんばかりのファンクネス、明朗で切れ味良いエッジの立ったタッチ。これは実に魅力的であり、思いっきり個性的。
だから、暫くするとやっぱり1〜2枚、思いっきり聴きたくなる。そんな変わった魅力満載のモンティ・アレキサンダーである。
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