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2016年12月21日 (水曜日)

どこまでも正統なハードバップ

2016年も押し詰まってきた。あと10日で今年も終わりです。しかし、2016年の新盤はまだまだ溜まっていて、どんどん聴いていかないと、あっと言う間に2017年になってしまいますね。ということで、2016年の新盤から。 

Joey Alexander(ジョーイ・アレキサンダー)。インドネシアのデンパサールで2003年生まれの現在13歳。ハービー・ハンコック、ウィントン・マルサリスらが絶賛し、CBSニュースなどの全米ネットワークでも紹介され大きな話題となった、若きジャズ・ピアニストである。

宣伝文句としては「神童ピアニスト現る」。加えて、あのウィントン・マルサリスに見出され、師事している、とくれば、硬派で極端なジャズ者の方々だったら絶対に敬遠するシチュエーションである。が、聴かず嫌いは良く無い。と思いつつ、彼の新盤、リーダー作としてのセカンド盤を聴く。

Joey Alexander『Countdown』(写真左)。ジャケット・デザインも素敵なセカンド盤。曲目を見渡せば、小粋なジャズ・スタンダード曲がズラリと並ぶ。ふへ〜っと思う。どういう演奏をするんだ。ちなみにパーソネルは、Joey Alexander (p), Larry Grenadier (b), Dan Chmielinski (b), Ulysses Owens, Jr. (ds), Chris Potter (ss)。
 

Countdown  

 
パーソネルを見ても「どういう演奏をするんだ」。で、聴くと、思いっきりコードな「ハードバップ」。モードな演奏は全く無し。ましてやフリーキーなブレイクも無し。アブストラクトな展開も無し。どこまでも正統なハードバップ。1955年辺りから1960年辺りまでの「完璧なハードバップ」。

といって、内容的には悪く無い。7〜8割の力で余裕を持って弾き上げていく姿勢も好ましい。ピアノを硬質で力強いタッチで「ガーン、ゴーン」と叩きまくらないのも良い。サラリとしたシンプルな弾き回し。耳に優しく柔らかな演奏が好ましい。耳に引っ掛かるものが無いので、ちょっと物足りないかも、とも思ったりするほどの余裕ある弾き回し。

クラシック・ピアノの教則本「ソナチネ」や「ソナタ」の様な、ジャズ・ピアノの教則本を弾く様な、教科書的な「ハードバップ」を弾き綴る内容。あまりにオーソドックスな内容にちょっとビックリする。過去の歴史的な創造成果物に挑むような内容。これも、あのウィントン・マルサリスの薫陶の結果なのだろうか。

これからの成長が楽しみである。どんな方向に進んで行くんだろう。今回の「どこまでも正統なハードバップ」な内容には、あまり発展性、いわゆる伸びしろはないのだろうから、ワンステップ上の展開に進むのだろう。どんなジャズの演奏スタイルを演奏トレンドを選択するんだろうか。次作が楽しみである。

 
 

震災から5年9ヶ月。決して忘れない。まだ5年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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