ビッグバンド・ジャズは楽し・40
今年も残り9日。いよいよ暮れも押し詰まってきました。しかし、2016年の新盤はまだまだ、聴き残しがあります。どんどん聴いていきましょう(笑)。さあ、今日は「セロニアス・モンク」トリビュート。
僕は、セロニアス・モンクの楽曲が好きだ。ピアノのプレイも好きだが、それにも増して好きなのが、彼の書いた名曲の数々。一聴して直ぐに彼の作と判るほど、個性に溢れた楽曲の数々。聴いていて惚れ惚れするし、聴いていて思わず「ええなあ」と呟いてしまう。それくらいに僕は彼の手になる楽曲が好きだ。
そして、いつの時代も「セロニアス・モンク」トリビュートな盤がリリースされる。このリリースは途絶えることは無い。忘れた頃に、必ず、誰かが「セロニアス・モンク」トリビュートな盤をリリースする。しかも、それは良い内容のものばかりだ。
まあ、モンクの楽曲はテクニックが無いと演奏出来ないし、モンクの楽曲は歌心が無いジャズメンには荷が重い。歌心のあるジャズメンは、モンクの難解な曲を唄う様に演奏することが出来る。つまりは「セロニアス・モンク」トリビュートな盤は、テクニックがあって歌心が備わったジャズメンでないと演奏出来ない、ということ。
で、今年2016年、なかなか優れた「セロニアス・モンク」トリビュートな盤が出た。John Beasley『Presents MONK'estra, Vol. 1』(写真左)。来年、生誕100年を迎えるセロニアス・モンクの楽曲を17ピースのビッグ・バンドにアレンジしたアルバム。
ジョン・ビーズリーはピアニスト。彼は今回、モンケストラ(MONK'estra)というオーケストラを組織した。そして、そのオーケストラの演奏用に施したアレンジが素晴らしい。モンクの楽曲の個性と特徴を損なうこと無く、逆に全面に押しだしアピールするような、とにかく優れたアレンジに惚れ惚れする。
ジョン・ビーズリーのピアノも良い。モンクの楽曲を自らのピアノの個性の上に乗っけて、モンクの楽曲の個性と特徴を損なうことなく、ビーズリーのピアノの個性と融合した、唯一無二なアドリブフレーズを連発する。歯切れ良く、テクニカルではあるが耳に付かない、素直で爽やかなピアノ・タッチが、モンクの楽曲を惹き立たせる。
収録された演奏のどれもが良い。内容的に優れているので、一気に聴き切ってしまう。なかなか秀逸な「セロニアス・モンク」トリビュートな盤です。ジャケット・デザインも良好で「ジャケ買い」にも最適。今年リリースの中で、指折りの「セロニアス・モンク」トリビュート盤です。
震災から5年9ヶ月。決して忘れない。まだ5年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« どこまでも正統なハードバップ | トップページ | ながら聴きのジャズも良い・14 »
コメント