ジャズ喫茶で流したい・93 〜 『The Musings of Miles』
ジャズ者を40年以上やっているのだが、ジャズ者になった時から、マイルス・デイヴィスが大好きである。とにかく、ジャズ者になってから、ずっと機会があるごとにマイルスを聴いてきた様な気がする。もはやマイルス無しでは、ジャズ者としての生活は語れない状態であり、暫くマイルスを聴かないと「マイルス禁断症状」が出てくる(笑)。
で、最近、マイルスと御無沙汰で、ちゃっかり「マイルス禁断症状」が出てきたので、慌ててマイルス盤を選盤する。若き日のマイルスを選盤。珍しいマイルスのワンホーン盤である。
Miles Davis『The Musings of Miles』(写真左)。プレスティッジの7007番。1955年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), Red Garland (p), Oscar Pettiford (b), Philly Joe Jones (ds)。
1950年代マイルスの黄金のクインテットのメンバー、ピアノのガーランドとドラムのフィリージョーの名が見える。実はまだこのアルバムの録音時点では、あの伝説の1950年代マイルスの黄金のクインテットのメンバーとして、マイルスと長くやっていく事をまだ知らない。しかし、この二人とマイルスとの相性は既に抜群。
不思議なことに、マイルスについては、マイルスのトランペット、ワンホーンのアルバムが少ない。というか、ほとんど無い。というか、この『The Musings of Miles』のみではないか、と思う。実際、マイルスが公式に録音したリーダーアルバムの中では、唯一のワンホーンカルテット作品。
で、これが「良い」。マイルスはワンホーンの時にはワンホーンとして、マイルスのトランペットが一番クールで、一番格好良く聴こえる様に吹く。そして、アレンジも同様。マイルスのトランペットが一番クールで、一番格好良く聴こえる様なアレンジが施されている。
加えて、ワンホーンならではの「効果的なアドリブ・フレーズ」「印象的なアドリブ・フレーズ」が満載。もうマイルスだけが目立ってしまう、マイルスだけが印象に残るイメージ。さすが「我らがマイルス」である。素晴らしい、実に素晴らしい。
なぜか世間では評価が低いアルバムである。が、マイルス者からすると、結構、このアルバム、ポイントが高いのではないか。マイルスとして珍しいワンホーン盤で、マイルスの個性、マイルスの演奏の意図が手に取るように判る。マイルスの考え方が結構読み取れる。そんな「マイルス者にとってマストアイテム」な盤である。
上品で豊かで心地良い音色。ひたすらスイングし、ひたすら唄う様にアドリブ・フレーズを紡ぎ上げていく。マイルスのトランペットのベーシックな姿。マイルスの個性の判り易いサンプル。このマイルスの唯一のワンホーンは「マイルス者の我々にとって宝のアルバム」。
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