現代ピアノ・ジャズの先端を行く
このピアノ・トリオ、ファンクネスが希薄、耽美的、ピアノの響きが美しいピアノ。これって、ブラッド・メルドーに影響を受けてないか、と思って、ラックナーのバイオグラフィーを確認したら「カリフォルニア芸術大学ではチャーリー・ヘイデンに師事。その後メルドーのもとで学び、2002年に自身のトリオを結成」とある。なるほどね。
Benny Lackner Trio『SiSKIYOU』(写真左)。今年の3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Matthieu Chazarenc (ds), Jerome Regard (b), Benny Lackner (p,el-p)。Benny Lackner(ベニー・ラックナー)がリーダーのピアノ・トリオである。
リズム&ビートも今様なもので、ピアノ・トリオの響きは、現代ピアノ・ジャズの先端を行くもの。新しいピアノ・トリオの音が満載で、聴き進むにつれ、なんだかワクワクしてくる。なかなかええやん、と思いながら聴いていると、不意に出てくるエレピの音。これがまた良い。
アナログとエレクトロニックの両方のキーボードを使い分け、絶妙な感覚でミックスする感覚は、今までありそうでなかったパターン。使い分けるまでは来ているんですが、1曲の演奏の中でミックスする感覚はまだまだマイナーなもの。これがまた良い。
ディレイあり、ファズをかけたり、エコーをかけたり、演奏に対する音響処理がこれまた趣味が良い。耽美的でリリカルな音世界の中で、エモーショナルで印象的なフレーズが不意に出てくる。これがまた良い。静的なスピリチュアルなピアノ・ジャズという雰囲気が実に新しい感覚だ。
ベニー・ラックナーについては全く知らない名前で、ネットを調べたら「ベニー・ラックナー・トリオの5作目となる最新作が国内盤でようやくリリース」とあり、我が国ではレコード会社がこれまで全く扱わなかったようです。我が国で全くの無名な存在だったことに合点がいきました。勿体ない話です。
新しい響き満載のピアノ・トリオ。聴いてビックリ、ベニー・ラックナーのピアノ&キーボード。思わず、過去のリーダー作の全てを聴いてみたくなりました。チャレンジしたいと思います。
震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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