ジャズの合間のハードなエレギ
ジャズをずっと聴いていて、ちょっと「耳休め」したくなる時がある。そう言う時はキッパリとジャズと別れる。そして、大体は70年代ロックが70年代Jポップのアルバムに走ることがほとんど。しかも、メリハリのあるハッキリとしたロックやJポップが良い。
高校時代からハードなエレギの好盤として聴き親しんでいるアルバムが何枚かある。ジャズの合間の耳休めに最適。大学時代、ジャズを聴き始めて以降、ジャズに聴き疲れた耳を、度々このエレギ盤でリセットしてきた。そのエレギ盤の主とは「ロビン・トロワー(Robin Trower)」。
ロビン・トロワーとは、1945年生まれの英国のブルースロック・ギタリスト。最初のキャリアは、プロコル・ハルムのギタリストであったが、ジミー・ヘンドリックスに出会って以降、「ジミヘン・フォロワー」となった。
確かに聴けば判るが、トロワーのスタイルは明らかに「ジミヘン」である。しかし、本家ジミヘンのギター・プレイより、シンプルで判り易いところが個性。しかし、トロワーは日本での人気は全くイマイチ。僕はたまたま、高校時代、映画研究部の先代部長Nさんが持ち込んだ、このアルバムによってトロワーを知った。
そのアルバムとは、Robin Trower『For Earth Below』(写真左)。邦題『遥かなる大地』。1975年のリリースになる。この現代絵画的なジャケット・デザインが印象的。アメリカでの人気(全米チャート5位、ゴールド・ディスク獲得)のみならず、本国イギリスでもチャートインした人気盤。
明らかにエレギは「ジミヘン・フォロワー」の音がベースだが、ブルース色とファンクネスが色濃く、かつ「端正な凶暴性」が加わる。このエレギの音は、もうトロワーの個性と言っても良いだろう。ジミヘンのフォロワーからスタートして、この3作目のソロ盤にてトロワーは個性を確立した。
そして、この『遥かなる大地』との出会いでロビン・トロワーを知った後、このライブ盤に出会う。『Robin Trower Live!』(写真右)である。1976年のリリース。このライブ盤は、そんなロビン・トロワーのエレギの全てを伝えてくれる好盤である。週六時間は40分そこそこなのだが、このライブ音源に詰まっているエレギの音と迫力は凄い。
もともとはスウェーデンのラジオ番組用に収録された音源らしいが、このライブ音源は音も良く、演奏自体の迫力をダイレクトに伝えてくれる。迫力抜群。このライブ音源のエレギの音を聴くと、確かにジミヘンのフォロワーの音なんだが、それに加えて、トロワーならではの個性が輝いている。
70年代ロックのハードなエレギ好きのマニアの方々なら絶対に気に入る。ジミヘンのフォロワーからスタートして、ブルース色とファンクネス芳しく、ワウワウ・ペダルなど、アナログチックなアタッチメントによる音色が個性的で、アドリブ・フレーズがシンプルで判り易い。ネットでもロック・エレギのマニアの方々には評判の高いライブ盤です。
この2枚のトロワーのアルバムって、ロック・エレギの好盤として、もっと評価されて然るべき内容だと思います。とにかく、トロワーって日本での人気はイマイチ、というか、日本での認知度がかなり低いですからね。でも、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズの合間の耳休め盤として今でも大活躍。
震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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