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2016年6月29日 (水曜日)

個性は初リーダー作で感じる

ジャズメンの個性は初リーダー作を聴けば判る、とよく言われる。長年、ジャズを聴いてきて、確かにそれは言える、と思う。

ロックのアルバムは、僕は「セカンド盤」だと思っている。録音環境に慣れてライブ演奏も上手くなって、満を持しての「セカンド盤」。ロックのファースト盤は意外と内容に乏しかったり、演奏が硬かったりする。

しかし、ジャズは違う。サイドメンとしての演奏の時間が結構あったりして、サイドメンとして録音環境に十分に慣れて、ライブ演奏にも手慣れてくる。つまり、プレイヤーとしてほぼ充実してきたところに初リーダー作の声がかかる訳で、確かに、ジャズでは初リーダー作で、そのジャズメンの基本的な個性が良く判る。

例えば、この初リーダー作など、その好例である。Jackie McLean『Presenting... Jackie McLean』(写真)。1955年10月の録音。ちなみにパーソネルは、 Jackie Mclean (as), Donald Byrd (tp), Mal Waldron (p), Doug Watkins (b), Ronald Tucker (ds)。メンバー的には、ハードバップな強者ども大集合である。

これだけのメンバーを集めれば、そりゃ〜良い演奏が残せるだろう。期待に違わぬ、ハードバップ初期の溌剌とした演奏が繰り広げられている。
 

Presenting_jackie_mclean

 
演奏のアレンジ的には、まだまだシンプルで、音と音の隙間はスカスカなんだけど、瞬間芸的な演奏を競うビ・バップとは明らかに違う、長いアドリブ・フレーズの展開の中で、その演奏のイマージネーションとテクニックを披露するところがハードバップである。

初リーダーのマクリーンはと言えば、もう最初から最後まで「マクリーン節」全開である。最初の「It's You Or No One」を聴くだけで、この演奏のアルト・サックスはマクリーンのそれだとハッキリと判る位の個性である。節回し、アドリブの癖、音色、どれもが、後につながる「マクリーン節」である。

面白いのは、マクリーンのフレーズって、ピッチが低めにずれるのが特徴なんだが、この初リーダー作では、ほんのちょっとズレているだけ。まずまずピッチがあっているところが実に初々しい。恐らく、ピッチが低めにずれる個性は、マクリーンが一流ジャズメンとして内外に認められてからのことなんだろう。

ちなみに、このマクリーンの初リーダー作のジャケットは、写真左の猫のジャケットなんだが、僕が、ジャズを聴きだした頃、1970年代後半のジャケットは写真右のデザインだった。この写真右のイラスト、僕はフクロウかと思ったんだが、これも実は「猫」だそうです(笑)。まあ、どちらも「猫のジャケット」という面ではイーブンと言うことで・・・。
 
 
 
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コメント

>僕はフクロウかと思ったんだが、これも実は「猫」だそうです(笑)。

私もマスターと同じでした。^^他にもたとえばジョニーグリフィンの「アロハ(シャツ)のグリフィン」?とフアンが呼ぶジャケにも似たような勘違いがあったことも。笑

私はマクリーンはあの「暗黒時代」?(SJ誌での定番評価)といわれる
RCA時代のジャズメッセンジャーズの頃が好きです。

なぜ「暗黒時代」?かといわれれば、そりゃあまあ後年のブルーノートなどとの比較だと思いますが、個人的にはメッセンジャーズに駄番なしと思いますし、マクリーン~グリフィンという強力なフロントラインが楽しめるなんてほかにありませんもんね。(~o~)

有名な「チュニジアの夜」(ブルーノート)はもちろん好きですが、同タイトルのRCA盤のチュニジアの夜こそ、個人的にはベストオブベストと思いますです。(~_~;)

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