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2016年6月 2日 (木曜日)

プログレッシブ・ジャズロック

嫌な事が続いて心が疲れてきたら、昔から決まって「あっけらかんとしたフュージョン」を聴く。つまらないことで、残された人生を乱されるのは真っ平だ。心をリセットして、明日からリフレッシュして、残された人生を明るく生きる。

さて、そんな時に聴いたアルバムがこれ。Lenny White『The Adventures of Astral Pirates』(写真左)。リターン・トゥ・フォーエヴァー(略してRTF)の名ドラマーの78年作品。宇宙探検をテーマにした壮大なコンセプト・アルバム。作りは基本的にプログレッシブ・ロック。それもそのはず。プロデューサーは、奇才ロッカー、アル・クーパー。

「宇宙探検をテーマ」にしているなんて、かなり陳腐な、と思ってしまうが、どうして、かの伝説的バンド、RTFも「宇宙をテーマ」にしたものが多かった。RTFのリーダーのチックも好きだった。これって、レニー・ホワイトとしたら「アリ」なんだろうな。

パーソネルは、レニー・ホワイト(ds,perc,synt)パトリック・グリースン(synt)ドナルド・キャプト・キーボーズ・ブラックマン(org,p,el-p,synt,vo)ニック・マロック、ジェフ・シグマン(g)アレックス・ブレイク(b)。まったくRTF人材とは無縁のスタジオ・ミュージシャンなタイプのメンバーを選んでいる。
 

The_adventures_of_astral_pirates1

 
音世界もRTFのようでRTFでは無い。プログレッシブ・ロックの様でそうでは無い。プログレッシブ・ジャズロックとでも形容したら良いだろうか。そして、どの曲でもレニー・ホワイトは叩きまくっています。レニー・ホワイトのドラミングはさすがなんですが、他のメンバーについては、ちょっと演奏にキレが足らないのが「玉に瑕」。

スペイシーなクロスオーヴァー・フュージョンあり、アーバンなフュージョン・ナンバーあり、ボーカル入りのグルーヴィーなフュージョン・チューンあり、印象に残るテーマ曲あり、アルバム全体に渡って楽曲の構成がかっちりしています。バラエティ感のあるとても楽しい好アルバムです。

それを差し引いても、このプログレッシブ・ジャズロックは聴き応えがあります。なかなか良く出来ていますよ。歴史に残る名盤の類では無いのですが、クロスオーバー・ジャズの好盤として、もっと評価されても良いと思います。

しかし、この邦題は凄い。「The Adventures of Astral Pirates」が「ヘビー・メタル・ファンタジー」。どうしてこうなるんかなあ。当時のレコード会社の担当のセンスを疑うなあ。これじゃあ、売れるものも売れんよな(笑)。

 
 

震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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