ながら聴きのジャズも良い・7
昨日より「ながら聴きのジャズも良い」シリーズの連チャンです。
最近「ながら聴き」に適したジャズが多くなった様な気がする。時代と環境のニーズから来るものなのかもしれない。家で何かをしながらのバックのBGM。お店のバックのBGM。「ながら聴き」のジャズについて、ニーズが高まっているのかもしれない。
このアルバムも僕は「ながら聴き」する。Robert Glasper『Covered (The Robert Glasper Trio recorded live at Capitol Studios)』(写真左)。トリオ編成である。ちなみにパーソネルは、Robert Glasper (p), Vicente Archer (b), Damion Reid (ds) 。ロバート・グラスパーがピアノに回帰したと話題の盤である。
「Covered」とタイトルにあるように、グラスパーが自分の好きなアーティストの曲を選んでカヴァーしたと思われがちであるが、彼自身のBlack Radioからのリメイクもあって、自分の音でアレンジでやってみたい曲をトリオでやった、って感じのアルバムです。まあ、タイトルに拘ることもないか。
ピアノ・トリオではあるが、従来のピアノ・トリオとは音の雰囲気がちょっと異なる。聴けば直ぐに判るのだが、リズム&ビートが全く異なる。というか、このグラスパー・トリオのリズム&ビートが新しい響きを宿している。このリズム&ビートの音は聴いたことが無い。
ラフにバッシャバシャとスネアが拡がりのあるビートを刻んで、ゆったりとフロントのグラスパーのアドリブ・フレーズを包み込む。いわゆる「ラップ」や「ユーロ」のリズムをジャズに応用したようなリズム&ビート。ベースの音は重低音。重低音ドップリ、底にスッと広がったベース・ラインがこれまた新しい。
このグラスパー・トリオの「リズム&ビート」が、実はこのピアノ・トリオの「ウリ」だと思う。ラフで拡がりのある重低音がメインの「リズム&ビート」。そこに、耽美的でリリカルなグラスパーのピアノが豊かに爽やかに流れていく。このバックのリズム&ビートと、フロントのピアノとの対比が美しい。アレンジの勝利である。
グラスパーのピアノは、耽美的でリリカルなんだが、音の底にしっかりとファンクネスが漂っているところが良い。ジャズを始める前にグラスパーはゴスペルとR&Bをやっていたとのこと。なるほど、そのバックボーンが彼のピアノをより個性的にしている。
新しい響きを宿したピアノ・トリオ。ラフで拡がりのある重低音がメインの「リズム&ビート」。そこに、耽美的でリリカルなグラスパーのピアノが豊かに爽やかに流れていく。このアルバムの音世界は「ながら聴き」にピッタリ。我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、意外とクセになって「ながら聴き」のヘビロテになってます。
震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« ながら聴きのジャズも良い・6 | トップページ | ジャズの合間のハードなエレギ »
コメント