「マシュー・ハルソール」とは
ジャズのアルバムを漁っていると、へ〜ッと感心するアルバムに突如として出会ったりする。そういうアルバムは決まって、ジャケット・デザインが洒落ている。いわゆる「ジャケ買い」である。「ジャケ買い」から始まって、聴き始めて「おっ」と思い、聴き終えて「へ〜ッ」と感心する。
今回、そんな感じで出会ったアルバムがこれ。Matthew Halsall『On The Go』(写真左)。2011年6月のリリース。う〜ん、5年前かあ。全くノーマークであった。で、まず、このジャケットが目に止まった。これはなかなか洒落ている。直感だけでゲット。そして聴き始める。
こういう洒落た写真のジャケットって、決して期待を裏切らない。トランペットが良く鳴っている。トランペットのブラスの響きが心地良い。決して、速さを競うテクニック優先のブロウでは全く無い。ゆっくりとミッドテンポのフレーズで、朗々とトランペットの響きと印象的なフレーズを楽しませてくれる。
アルバム全編に渡って「これ」である。ミッドテンポ、朗々と鳴る楽器、ゆったりと印象的なフレーズ、速さを競うテクニカルなフレーズは全く出て来ず。印象的に鳴るフレーズは心が癒される。一種「スピリチュアル」な響きにウットリする。
さて、Matthew Halsallとは誰か。片仮名表記にすると「マシュー・ハルソール」となるらしい。英国マンチェスター出身の若きジャズ・トランペッター。1983年9月生まれということなので、今年で33歳になる。ジャズの世界でいくと、まだまだ若手。ゆったりと印象的でモーダルなフレーズを吹き進めるところが「個性」。
ハイレベルでスピリチュアルなジャズ。それもテクニカルで感情に直接訴えかける様な音ではなくて、朗々とゆったりと印象的なフレーズで心の吟線に触れるような、郷愁を誘うような、リリカルなスピリチュアル・ジャズ。思わず「へ〜ッ」と心から感心してしまう。そして、また聴き返してしまうのだ。不思議な「ヘビー・ローテーション」。
ちなみにパーソネルは、Matthew Halsall (tp), Nat Birchall (sax), Adam Fairhall (p), Gavin Barras (b), Gaz Hughes (ds)。英国ジャズの強者共であろう。知らない名前ばかりである。しかし、このアルバムの演奏を聴いていると、それぞれがしっかりとした力量を持ったジャズメンなのが良く判る。
一音一音丁寧に吹き上げるトランペット。しっかりと音を押さえながら朗々とメロディーを吹き上げるソプラノ・サックス。ミッドテンポで堅実にフロントをモーダルな響きでサポートするリズム・セクション。こういうジャズもありやなあ、と思わず感心してしまう。なかなかの好盤です。
震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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