ながら聴きのジャズも良い・2
ジャズ・ギタリストとして日本のジャズ界、ギター界をリードしてきた渡辺香津美。その渡辺香津美のギター生活45周年メモリアルのアルバムがリリースされた。2年ぶりの新盤ということになる。
その新盤とは、渡辺香津美『Guitar Is Beautiful KW45』(写真左)。45周年メモリアルな企画盤。渡辺香津美と繋がりの深い、盟友の様なギタリスト、そして、これからのジャズ・ギターを担うであろう次世代の職人ギタリストから相棒を選択した、「デュオ」を基本としたアルバムである。
その盟友の様なギタリスト、次世代の職人ギタリストとは、リー・リトナー、マイク・スターン、Char、押尾コータロー、SUGIZO、伊藤ゴロー、生形真一(Nothing's Carved In Stone)、三浦拓也(DEPAPEPE)、沖仁、高田漣、井上銘。ほっほ〜。純ジャズに留まらない、フュージョンでコンテンポラリーな、はたまたロックなギタリストまで幅広に選択している。
デュオを基本に演奏される曲はどれもが「どこかで聴いた音」。45年間のジャズ・ギターの奏法のバリエーションのほぼ全てを網羅して、全編に渡って弾きまくっている。ジャズ・ギタリスト七変化である。この企画盤には、これまでのジャズ・ギターの要素がギッシリと詰まっている。
そういう意味では、このアルバムに対峙してグッと身を乗り出して聴き込むタイプの内容では無い。どこかで聴いた音のショーケースみたいな作りなので、何回か聴いたら容易に出てくる音が予測出来る様になって「飽きる」。「飽きる」んだが、その演奏の内容自体は非常にレベルが高く、充実しているので、聴き応えはある。
そう、このギター・デュオが基本のアルバムは、聴き込むよりは「聴き流す」のに適したアルバムだということが言える。確かに、このアルバム、BGMとして聴き流す感じでいると実に耳当たりが良く、聴き心地が良い。やはり、優れた演奏、優れた内容、優れた録音という3拍子が揃ったアルバムというのは、どんな内容の音でも「耳当たりが良い」のだ。
グッと身を乗り出して聴き込むと「飽きる」。だからBGM風に聴き流す。その「聴き流し」に適した盤だからこそ、聴き流す分には決して「飽きることは無い」。そういうジャズ盤ってあるよね。
ジャズ喫茶の朝に、昼下がりにピッタリの音世界だと思います。ギター・デュオが基本の企画盤ですが、ところどころパーカッションが入ります。これが実に趣味が良い。ミノ・シネルだそうで、この趣味の良いパーカッションも聴きものです。そして、このアルバムのキャッチコピーが「全てのギターに指先から愛を込めて」。お後がよろしいようで(笑)。
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私は渡辺香津美は「短編作家」だ、と思っています。幾多の腕っこきスタジオミュージシャンの一人かもなあ・・と、偏見丸出し思考していたりします。(~_~;)
その理由は彼のウタゴコロにほとんど感心した記憶がないからです。
リーダー作のほとんど、およびバックにまわった(歌伴など)を聴いて、「お?」と思ったことは数えるほどしかありません。(中本マリのバックなど)。
アルバム1枚つくるには少し無理があるなあ・・とさえ感じます。
もちろんテクはありますが、多くの和製フュージョンブームでシラケタのは、バカテク自慢風な演奏がとても苦手でしたので、ほとんど興味をひかれませんでした。
テナーのウエインショーターとならんで、私には「鬼門」?であります。(~_~;)
投稿: おっちゃん | 2016年4月16日 (土曜日) 11時28分