あれから5年が経ったのか・・・
2011年3月11日、14時46分、東北地方太平洋沖地震は起きた。地震の規模はマグニチュード9.0。この地震により、巨大な津波が発生、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生した。加えて、福島第一原子力発電所にてメルトダウンが発生。この事故はチェルノブイリ原子力発電所事故と同等に位置付けられた。
とにかく酷い状況だった。まだまだ春も浅く、朝夜は冷える季節だった。そんな中で「計画停電」なるものが横行した。何故、計画停電が必要だったのか、今だに理解に苦しむ。電気が足らなくなるかもしれないから、と早期帰宅を政府が促し、東京が大混乱に陥る事件も起こった。実に慇懃無礼であった。当時の首相官邸のスタンドプレーだけが鼻についた。あれから5年。まだまだ復興は道半ば。まだまだである。
我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、この時期は大震災を偲び、亡くなった人々を弔う為に、それに見合ったジャズ盤を聴く様にしている。今年はこのアルバムを聴いている。『Jazz For Japan』(写真左)。アメリカ西海岸を中心に活躍するコンテンポラリー・ジャズ界のスーパースターたちが、誰もが耳にした事のあるジャズの名曲を演奏。
錚々たるメンバーである。スティーヴ・ガッド、リー・リトナー、ピーター・アースキン、クリスチャン・マクブライド、ケニーG、ネイザン・イースト、デヴィッド・T・ウォーカー、ジョージ・デューク、マーカス・ミラー、トム・スコット、松居慶子など多くのミュージシャンたちが、震災発生から数日後、ロスアンゼルスのキャピトル・スタジオで被災者支援の為のアルバムを制作。収益は赤十字を通じて被災地に届けられた。
収録曲は以下の通り。実に豪華なメンバーで、どの演奏も一曲入魂の出来である。ほどよいテンションが心地良く、堅実で正統な純ジャズがここにある。「いつの時もジャズを支えてきてくれた日本の友人たちの為に何か出来ないか…」、それが集ったジャズメン達の合い言葉。僕はこのアルバムを聴く度に目頭が熱くなる。
1. Maiden Voyage(Herbie Hancock)
2. Sugar(Stanley Turrentine)
3. So What(Miles Davis)
4. Sophistiated Lady(Duke Ellington / Irving Mills)
5. Footprints(Wayne Shorter)
6. Work Song(Nat Adderley)
7. What a Wonderful World(Bob Thiele / George David Weiss)
8. Mr. PC(John Coltrane)
9. Body & Soul
(Frank Eyton / Johnny Green / Edward Heyman / Robert Sour)
10. Cold Duck Time(Eddie Harris)
11. Watermelon Man(Herbie Hancock)
12. Invitation(Bronislaw Kaper / Paul Francis Webster)
13. Cantaloupe Island(Herbie Hancock)
大震災に被災して最初は思った。音楽がジャズが何になるのか、音楽もジャズも意味が無いのでは、と思い込んだ時もあった。特に3月の終わりまでは、気が弱くなると、ついついそう思ってしまうほど、酷い状況が続いた。
あれから5年。復興は遅れ気味だが、人は力強い。徐々に徐々に立ち直っていく。他の地方の人々からのメッセージ、「絆」という言葉は色褪せてしまったが、どっこい僕達は決して忘れない。常に関与し続ける。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★震災から5年。決して忘れない。まだ5年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
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