カシオペアのデビュー盤を聴く 『CASIOPEA』
1970年代後半、僕がジャズを聴き始めた頃はフュージョン・ジャズの大ブーム。猫も杓子もフュージョン・ジャズ。そんな中、和製フュージョン・ジャズ、つまり日本人ジャズメンによるフュージョン盤も大量生産された。
そんな中で、21世紀の今に生き残る和製フュージョン・バンドが2つある。ひとつはカシオペア、もう一つはT-スクエア。どちらも紆余曲折を経ながらも、今でも現役でバンド活動を続けている。今回、やっとカシオペアの初期の頃のアルバムのコレクションが整ったので、一気に聴き直しを始めた。
まずはやっぱりこの一枚だろう。『CASIOPEA』(写真)。1979年5月に発売された記念すべきカシオペアの1stアルバムである。結構、豪華な録音環境で、ホーン・セクションとして、David Sanborn、Randy Brecker、Michael Breckerらがゲスト参加している。全ての曲は野呂一生の作で固められている。
カシオペアはデビューから現在に至るまで、一貫して「ギター、ベース、キーボード、ドラム」の4人編成(カルテット)で活動。ギターがメインのカルテット構成、これが実に良い。音がシンプルで疾走感溢れ、個々の楽器の音の分離が良い。電気楽器メインとしたフュージョン・ジャズ系バンドの理想形だろう。
さて、このファースト盤であるが、驚愕の「目眩くテクニック」が目白押し。1979年当時のフュージョン系バンドのファースト盤としては、かなりの完成度の高さを誇ります。とにかく、仕掛けに凝りに凝りまくり、凄まじいテクニックを誇示しまくっている。
当時、この凄まじいテクニックが鼻につくどころか、一聴するだけで驚愕し、こいつらどうなってるんや、と思わずヘビロテになり、改めて「これは凄いバンドが出現した」と唖然としたことを昨日のことの様に覚えている。
冒頭の「タイムリミット」のドラムとホーンセクションのリフを聴くだけでワクワクする。そしていきなり出てくるエレベのソロ。当時、エレベの最高峰とされたジャコ・パストリアスのソロとなんら遜色の無いエレベのソロに驚愕。そして、目眩くテクニックの嵐、弾き倒しまくるエレギに驚喜。趣味の良い、程良く抑制されたキーボードに信頼感を感じて、このバンドが和製なのに思わず疑いを持った。
とにかく全編、懐かしい楽曲ばかり。ジャズ者初心者の頃、大学時代、思いっきり聴きまくった和製フュージョン盤です。今の耳には、内容的に若さが故に未成熟なフュージョン・インストですが、その若さが良い。そして、日本人発の素晴らしいフュージョン・バンドの出現に、当時、思いっきり驚喜乱舞しました。懐かしい想い出です。
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