今年の聴き始めは「これ」
今年はカレンダーがあまり良く無くて、正月三が日明けてすぐに月曜日で出勤。こういう日取りって久し振りじゃないかしら。調べてみたら2010年以来とのこと。6年ぶりかあ。なんか正月気分が抜けないまま、一週間をはたらくのは憂鬱ではある。
さて、今年の聴き始めであるが、最近はあまり深く考えずに選盤している。硬派でスカっとする純ジャズが良い。何にするか。とデータベースを漁っていて、これに決めた。Lee Konitz『Motion』(写真左)。1961年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Konitz (as), Sonny Dallas (b), Elvin Jones (ds)。
パーソネルを見ただけで、この盤は普通のセッションの演奏では無いことが判る。まず、ピアノがいない。アルトのコニッツのピアノレス+ワンホーン盤。しかも、ドラムがポリリズムの鬼、エルビン・ジョーンズときた。ベースのソニー・ダラスについてはあまり知らない顔だが、この際、関係無い。
収録された全5曲ともスタンダード曲なのだが、これがどの演奏も硬派でストイック。甘さも微塵も無い、切れ味の良いインプロビゼーションの嵐である。なんせ、どのトラックでも、コニッツがテーマらしい旋律を奏でること無く、いきなり即興に突入するのだ。心地良い緊張感張り詰める中、コニッツのインプロビゼーションが流れるように響き渡る。
加えて、この盤でのコニッツのアドリブが異常なほどに冷静沈着。かなり難解なアドリブを展開しているのだが、さすが、トリスターノ門下、クール・ジャズの後継者、その音は決して熱くならない。冷静に難解なアドリブを涼しげに展開していく。こういうインプロビゼーションが「クール」というのだろう。
バックの二人も好演。ソニー・ダラスのベースが意外と良い。腹に響く骨太のウォーキング・ベースはコニッツのアドリブのビートをしっかりと支える。好調で本気のエルビン・ジョーンズのドラミングは素晴らしくて当たり前。この盤でのエルビンは好調。耳にも軽やかな絶妙のポリリズミックなドラム・ワーク。
正月早々、こういう硬派でストイックでスカっとする純ジャズは良いなあ。コニッツの「冷静沈着な熱中」のアルトは聴き応え満点です。こういうアドリブ演奏を「クール」と表現するんでしょうね。ちなみに、ジャケットで手前に大きく写っているのは、エルビン・ジョーンズの手。
それでは今年もよろしくお願いします。
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