ジャズの中堅もまだまだ活躍です
いよいよ今年も押し詰まってきた。今年もあと5日。今年もずっとジャズを聴き続けて来た。ジャズ界もなんとか、その活気を維持してきた。ジャズの廉価盤が意外とヒットしているらしい。ジャズはまだまだ「いける」のかもしれない。
ジャズの中堅どころもまだまだ活躍している。今年の新譜の中で、このアルバムを聴いて嬉しく思った。Benny Green『Live in Santa Cruz』(写真左)。カリフォルニアのサンタクルーズにあるKuumbwa Jazz Centerでのライブ音源。ちなみにパーソネルは、Benny Green (p), David Wong (b), Kenny Washington (ds)。
ピアニスト、ベニー・カーターが2013年4月4日、50歳の記念にライヴ録音したのが本作になる。ベニー・グリーンは、80年代初頭、20歳で頭角を現し、ベティ・カーターのグループに加入、1987〜89年には、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズで活動。1991年からは自身のトリオを結成し現在に至る。
僕はこのベニー・グリーンのピアノが好きで、以前から新譜に触れる度にアルバムを聴いてきた。彼のピアノはスインギー。左手のベースラインからはそこはかとなくファンクネスが漂う。バラード演奏はブルージーな雰囲気濃厚、アップテンポの演奏はビ・バップを彷彿とさせる正統派なドライブ感。
レイ・ブラウンからオスカー・ピーターソンの後継者と指名されたり、その正統派なジャズ・ピアノは「メインストリーム・ジャズ」なピアノ、ど真ん中である。このところ、彼の個性も十分に成熟して、そのプレイを聴けば彼のものと判るレベルのものになったと感じている。このライブ盤を聴いていて、本当に良いピアニストになったなあ、と心から思った。
テクニックのレベルは申し分無し。歌心もあって、ファンクネスも十分。1950年代のハードバップなピアノを焼き直した、ネオ・ハードバップなピアノが実に美しい。オスカー・ピーターソンの後継と指名されたことが納得できる、惚れ惚れするほどのドライブ感。年齢的にも一番良い時代のベニー・グリーンのピアノを思いっきり堪能できます。
ベニー・グリーンは、僕がジャズを聴き始めてから頭角を現したジャズ・ピアニストなので、デビュー盤の頃からずっと聴いてきたのですが、このライブ盤『Live in Santa Cruz』を聴いて、本当に良いジャズ・ピアニストになったと嬉しくなりました。
また、最後になりましたが、リズム・セクションの二人の演奏も素晴らしいものがあります。ベニー・グリーンと比べると20歳も年下になるんですが、そんな若さを感じさせない、どっしりと構えたベースラインが頼もしいデヴィッド・ウォンと、ネオ・ハードバップの中で屈指のドラマーとして、その味わい深いドラミングが魅力のケニー・ワシントン。この二人がガッチリとリーダーのベニー・グリーンのピアノを支えます。
2015年もそろそろ終わるが、ジャズの中堅どころの活躍を聴くにつけ、ジャズもまだまだ捨てたもんやないなあ、と思った。ジャズメンそれぞれの個性も楽しいし、そのテクニックにはいつも驚かされる。ジャズはまだまだ生きている、そう思う2015年の年の暮れである。
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