雨の日には爽快な純ジャズを
鬱陶しい雨の日がかなり長く続きます。今日などは台風の影響で、関東地方各地で大雨警報や避難勧告が出まくっていて、会社も電車も混乱しています。いやはや、もう2週間近く、雨や曇りの毎日で、もう身体も心もカビだらけ、です(笑)。
これだけ鬱陶しい日が続くと、気持ちも沈鬱になってきます。こういう時は、スカッと爽快なジャズが聴きたくなります。硬派で切れ味良くて、小気味良くて、脳髄にガツンと来るヤツ。
こういう時はかなりの頻度でこのアルバムを選ぶ傾向にあるようです。そのアルバムとは、John McLaughlin『After the Rain』(写真左)。1994年の作品。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (g), Joey DeFrancesco (org), Elvin Jones (ds)。硬派なジャズメンのトリオ構成。
マクラフリンはあのマイルスも認めるジャズ・エレギのバーチュオーゾ。テクニック抜群、とにかく尖った切れ味抜群の力感溢れるエレギのフレーズはマクラフリン独特のもの。そして、オルガンのデフランセスコは、躍動感溢れる、切れ味の良いプログレッシブなオルガンが持ち味。この二人のモーダルな鋭角フレーズが実に攻撃的。
そして、バックに控えるのがドラムのエルヴィン・ジョーンズ。あのコルトレーンの伝説のカルテットのドラマー。豪快なポリリズムを叩き出す、重戦車の様なドラミング。フロントの二人の鼓舞しまくって、バシンバシンと叩きまくる。
この硬派な3人が、これまた硬派な楽曲を弾きまくり、叩きまくる。冒頭の「Take the Coltrane」の、その疾走感と力感溢れるアドリブ・フレーズに「おおっ」と身を乗り出す。バックでエルビンがバッシバッシとスネアをしばく。
2曲目「My Favorite Things」は、コルトレーンの十八番だった曲。この曲では、オルガンのデフランセスコのアグレッシブで流麗なアドリブ・フレーズが爽快感抜群。滑らかであるが切れ味抜群、スピード感抜群で聴き応え抜群。そして、バックでエルビンがバシャバシャとシンバルをしばきまくる。
以降、目眩く、テクニック抜群、尖った切れ味抜群の力感溢れる演奏が続きます。そして、意外とマクラフリンが純ジャズしていて、正統派フレーズを繰り出しています。捻りの少ない素直なエレギのマクラフリン。その素性の素晴らしさを再認識します。
加えて、エルビンの、叩きまくってはいるが、実に趣味の良い、典雅なドラミングは特筆すべき素晴らしさ。叩きまくっているのに、決して耳につかない、フロントのギターとオルガンを損なうこと無く、優雅に鼓舞する余裕のドラミング。さすが、レジェンドが故の余裕綽々の攻撃的ドラミング。硬派です。
最近続く雨降りの鬱陶しい日々の中、聴く毎にスカッと爽快感が残る、硬派な純ジャズです。余裕溢れる、和やかなトリオ演奏ですが、その攻撃性、プログレッシブ性が見え隠れして、「おおっ」と身を乗り出す自分に気が付いて、なんとも思わず「苦笑い」。力感溢れる硬派なアルバムです。
★震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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