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2015年9月11日 (金曜日)

目から鱗な英国フュージョン

国によってジャズの捉え方は違う。特に、大きく分けて、米国、欧州、日本の3極に分かれるのと、欧州については、2大勢力として、英国、仏蘭西とそれぞれ独特のジャズの文化があり、その他、それぞれの国で「ならでは」のジャズが根付いている。

さて、その欧州の中で、英国はロックとジャズの境界線が曖昧である、というのが僕の持論だが、このアルバムを聴いて、その意を強くした。Bill Bruford's Earthworks『Earthworks』(写真左)。

1987年の作品。英国のプログレ・ドラムの雄、リズム&ビートを熟知するビル・ブルッフォードが主宰するフュージョン・バンド、アース・ワークス名義のアルバムである。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds), Django Bates (key, tp), Iain Ballamy (sax), Mick Hutton (b)。英国ジャズ界が生んだ類い希な才能ジャンゴ・ベイツの名が目を惹く。

とにかく、ハイテクニックでコンテンポラリーで先進的な純ジャズの演奏が詰まっている。演奏の雰囲気としては、どこから聴いても、これって「Weather Report(以降WRと略)」ではないのか、と思ってしまうくらいの「WRの音世界」、どのあたりだろう、『Night Passage』から『Procession』のWRの音を踏襲したコンテンポラリーなフュージョン・ジャズが展開されている。
 

Earthworks

 
そして、ほとんどフリー・ジャズな、硬派で尖った、切れ味鋭い前衛的なジャズもやっている。そして、この前衛的なジャズが欧州ジャズ独特の響きを宿していて、意外や意外、かなりの「聴きもの」となっていて、ちょっとした驚きである。

まあ、全体の雰囲気は「Weather Report」でしょうか。エレクトリックな楽器を駆使して、ポップで判り易いフレーズを展開しつつも、ハイテクニックで緻密なインプロビゼーションを繰り広げる、そして、リズムチェンジがかなり頻繁に行いつつ、相当に高度で個性的なリズム&ビートを叩き上げる、そんなアース・ワークスの音世界です。

ビル・ブルッフォードは、King Crimson のドラマーとしても有名なんですが、King Crimsonのアルバムと比較すると、この『Earthworks』の音世界は、King Crimsonの『Beat』に近いでしょうか。とにかく、ブルッフォードのポリリズミックなドラミングが驚異的です。変則拍子、リズムチェンジは当たり前、って感じの凄まじいリズム&ビート。

素晴らしいコンテンポラリーなフュージョン・ジャズです。米国ジャズの世界でも、このアース・ワークスの音世界に匹敵するのは、Weather Reportか、チック率いる Return to Forever くらいでしょう。それほどまでに素晴らしいアース・ワークスの音世界です。ジャズ者中級以上の方々にお勧め。目から鱗な英国フュージョンです。
 
 
 
★震災から4年6ヶ月。決して忘れない。まだ4年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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日本では珍しい、JAZZドラマー兼お坊さんです。
お坊さんのお仕事のため、海外行きを断念しましたが、時々ライブをやっています。
ご興味がありましたら、見てみてください。
よろしくお願いします。

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