昼下がりSP・デュオ盤特集・4
暑すぎる毎日です。今日は、こちら千葉県北西部地方は最高気温35度。湿度も高く、危険な雰囲気のする暑さです。この暑さ、ほぼ全国的なものらしく、とにかく、皆さん、熱中症に、体調の崩れに十分に注意しましょう。
さて、これだけ暑くなると、熱気溢れるダイナミックな演奏のジャズは絶対に駄目。エアコンの効いた室内で聴いてい ても、汗が噴き出てくる感じになります。これではバテてしまう。ボサノバ・ジャズの様な爽快感でライトなジャズか、シンプルで聴き心地の良いデュオ構成のジャズ辺りが一番良いかと思われます。
ということで、今日から再び「昼下がりSP・デュオ盤特集」です。第4弾のアルバムは、Lee Konitz『Lee Konitz Duets』(写真左)。1967年9月の録音。
アルバム・タイトルの通り「デュオ演奏」を集めた企画盤である。サックス奏者のリー・コニッツが、マーシャル・ブラウン(tb)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ジム・ホール(g)、レイ・ナンス(vn)、エディ・ゴメス(b) 等々、次々と相手を変えて二重奏を繰り広げている。全員で演奏したものはラストの「Alphanumeric」のみ。
このアルバムは、最近の評論家や老舗ジャズ喫茶のマスターの方々からは「つまらない」の一言で片付けられる傾向にある。何故か。知的に過ぎ、実験臭が感じられるところが「つまらない」とのこと。う〜ん、実際にこのアルバムの演奏にジックリと耳を傾けた結果の結論なんだろうか。実に不思議な結論に感じる。
デュオ演奏が中心なので、まず、しっかりとアレンジされ、しっかりと演奏展開のコンセプトについて事前に意思統一されている雰囲気が良く判る。その上で、演奏するジャズメンそれぞれが個性をしっかり出しつつ、実に伸び伸びとプレイしている。
アレンジに縛られることも無く、それぞれの個性が消されることも無い。ジャズっぽいリズム&ビートも十分、ノリも十分、ジャズとしてシッカリとした演奏がギッシリと詰まっている。う〜ん、このアルバムに詰まっているジャジーなデュオ演奏のどの辺が「つまらない」のかなあ。
もともと、このアルバム、デュオによって自己のインプロヴィゼーションの可能性をさらに探求したいと欲したコニッツ自身が、共演したいジャズメンに声を掛け、この意図について了解してくれた9人のプレイヤーが一堂に会し、わずか5時間で一気に完成させたものとのこと。
確かに、コニッツの目論見である「デュオによって自己のインプロヴィゼーションの可能性をさらに探求する」ことについては、十分にその目的を達成している。デュオ演奏の出来としても良好の好盤である。
ジャズというものは自らの耳で確かめることが大切な音楽ジャンルなんですが、このデュオ盤などはその良い例だと思います。最近の評論家や老舗ジャズ喫茶のマスターの方々からは「つまらない」の一言で片付けられる気の毒な盤ですが、聴いて見ると、それが誤解であることが良く判る。僕はこのアルバムのデュオ演奏の世界がお気に入りです。好盤だと思います。
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