ギターのソロ・パフォーマンス盤
ジャズ者を長年やっているが、初心者の頃から、アルバム紹介本とかで、「聴くべし」印のアルバムとして知っていながら、なかなか手にしないアルバムがある。特に、後回しになった楽器ジャンル、ジャズ・ギターとジャズ・ボーカルのアルバムにそれが良くある。
僕にとって、ギターは完全に後回しになった楽器ジャンルで、1990年代以降にならないと本格的にコレクションしなかった。ということで、この5〜6年、せっせとジャズ・ギターの名盤・好盤を探し回ってはゲットしている。逆にジャズ・ボーカルはまだまだ本格的なコレクションに至らない。逆に、本道から逸れた自分だけの独特のコレクション方針にアウトドライブしている(笑)。
さて、最近、やっとのことで入手に至ったジャズ・ギターの名盤がある。Joe Pass『Virtuoso』(写真左)である。1973年12月の録音。ジャズ・ギタリストの重鎮、ジョー・パスのソロ・パフォーマンスを記録したアルバムである。
どうもジャズ・ギターに対する印象が良くないのか、ジャズ・ギターというのは、デリケートで音が細いという印象があって、LP時代のステレオでは、スクラッチ・ノイズに邪魔されることが多く、落ち着いて鑑賞するのには不適切な楽器ジャンルだという印象が強かった。
加えて、ジャズ・ギターのソロなんぞ、デリケートで音が細いという上に、鳴る楽器はギターだけ、という、これほど、LP時代のアナログ環境のステレオでは、スクラッチ・ノイズにイライラして、落ち着いて鑑賞するどころでは無い、という想いもあった。そういう経緯で、このJoe Pass『Virtuoso』も手にしようとする気が全く起きなかった。
それではいかん、と一念発起、つい最近、このJoe Pass『Virtuoso』を手にした。で、聴いてみて、これがまあ、超絶技巧な、ジョー・パス単独弾きまくりの凄まじい内容の盤なのである。弾きまくる、弾きまくる。単独弾きまくりの12曲。聴き始めて、あっと言う間に一気に聴き切ってしまう位のテンションと密度。
ギターというのは、ピアノと同様に単音の旋律と和音のコードの2種類が弾けるが、ピアノの様に、単音の旋律と和音のコードを同時に弾くことが出来ない。ギターはその構造上、単音の旋律と和音のコードのどちらかしか、弾くことが出来ない。つまり、ソロ・パフォーマンスの場合、音が薄くなる。
その音が薄くなる弱点を、ジョー・パスは、超絶技巧なテクニックを駆使しつつ弾きまくり、音を敷き詰め、演奏全体の音の密度を濃くした。この工夫によって、このジャズ・ギターのソロ・パフォーマンスは、結構、ダイナミックな展開を楽しめる、充実した音の内容になっている。
まあ、音を敷き詰め、演奏全体の音の密度を濃くする為の超絶技巧なテクニックである。それぞれのギタリストの得意とする「手癖」に収斂する傾向はあるので、曲毎の演奏の展開、披露するテクニックについては、曲が進むにつれ「マンネリ化」していくのは否めない。演奏の展開、披露するテクニックについては意外とシンプルである。
しかし、こういう挑戦的なジャズ・ギターのソロ・パフォーマンスが、1973年というジャズにとって微妙な時代に録音され、発売されたことにちょっとビックリする。商業ロック、商業ポップスが大流行だった1970年代前半、こういう純ジャズのソロ・パフォーマンスに対する需要ってあったのかなあ。
とまあ、いずれにしても、ジャズ・ギターのソロ・パフォーマンスとしては、代表作の一枚として、絶対に挙げられるべき好盤ではあります。ジャズ者であれば、一度は耳にする価値のあるアルバムです。
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高校生の頃はじめてシビレた?^_^;ジャズギターといいますと、バーニーケッセルの「枯葉」(ブラックライオン盤)と、タルファーロウの「スイングギターオブ」の2枚でした。
その頃はロック少年でギンギンのハードなギターに鳴れた耳にはとても新鮮でした。
ケッセルのコードワークの快適さ、タルのうねうねとうねりながらのロングフレーズとその「棹鳴り」?を思わせる「これぞジャズギター」とも思える音色がとても気にいりました。
ジョーパスは私はつかみどころがないような気がして「愛聴盤」がないのですが^_^;、他にはロリンズの「橋」におけるジムホールの「泣きっぷり」?^_^;^_^;こそこの人の真骨頂ではないかなあ(特にゴッドブレスザチャイルド)?なんて思っていたりしますです。(^^ゞ
投稿: | 2015年7月 7日 (火曜日) 08時18分