こんなアルバムあったんや・47 『Stay Loose』
ジャズを長年聴いていると、時々、なんだこれ、と思わず笑ってしまうようなアルバムに出会う。ジャズって、そういう変に外したところがあるのが魅力なんだが、ジャケットとか、音作りとか、なんだこれ、と思わず、椅子から転げ落ちそうになるアルバムに時々、遭遇する。
今回、久々に、そんな「なんだこれ」的な盤に遭遇した。Jimmy Smith『Stay Loose...Jimmy Smith Sings Again』(写真左)。1968年リリース。まず、ジャケットに「なんだこれ」と笑う。宇宙飛行士に扮したジミー・スミス。確かに時代は1960年代後半、アポロ計画が人類を月に送り込むべく、壮大なオペレーションを展開していた時代のアルバムではある。
そのアポロ計画にあやかったジャケット写真なんだろうが、いや〜、このジャケ写って、内容の音世界とは全く関係が無いから、これはこれで「なんだこれ」とも思うし、「凄いな〜」とも思う(笑)。
このアルバムは、なんとジャズ・オルガンの祖、ジミー・スミスが弾きまくり、なんと歌いまくる、コッテコテのソウル・ジャズ盤なのだ。コッテコテのファンキーなオルガンを弾きまくるジミー・スミスというのは、ジャズ者の中では「当たり前」の姿なのだが、え〜っ、ジミー・スミスって歌うの?
これがまずまず良い唄声で歌ってるんですね。十分に鑑賞に耐える、良い声で歌っています。オルガンは当然の如く、ジャズ・オルガンの祖らしく、コッテコテにファンキーでソウルフルなオルガン・ソロを心ゆくまで展開しています。
オーケストラをバックに、ジャズ・オルガンの祖、ジミー・スミスが、思いっきりソウルフルなヴォーカルで唄いまくり、思いっきりファンクネスなオルガンを弾きまくる。絵に描いた様な「ソウル・ジャズ」がこのアルバムの中に詰まっています。
ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Stanley Turrentine (ts), Phil Upchurch (g), Grady Tate (ds), Jimmy Merritt (b) と意外と純ジャズ路線をいくメンバーが名を連ねています。
この純ジャズなメンバーが、こんなコッテコテにファンキーでソウルフルなグルーブ感を醸し出しているなんて、さすが一流のジャズメンは違いますね。しっかり応用を利かせています。
いや〜、このアルバム・ジャケットを見た時、ジャズ・オルガンの祖、ジミー・スミスのアルバムだとは思いましたが、さすがの私も触手は伸びませんでした(笑)。でも、今回、勇気を振り絞って聴いてみて、あらビックリ。コッテコテのソウル・ジャズがぎっしり詰まった好盤でした。目出度し目出度し(笑)。
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