バレルの個性が際立つ 『Kenny Burrell Vol.2』
ケニー・バレルは、米国ミシガン州デトロイトの出身。バレルのギターは、しっかりと芯のある太さがあって硬質な音。硬質の音でありながら、紡ぎ出すフレーズはしなやか。そして、黒くてブルージーな質感が特徴。これぞジャズ・ギターの音、って感じです。
バレルのギターは、ジャジーで硬派で、しかも「アーバン」。都会の夜中の雰囲気がしっくりくる、ニューヨークの漆黒な夜のディープな雰囲気が漂うバレルのギター。しかも、歌心があって、聴いていて楽しく、聴いていてしみじみする。そんなジャジーなギターが良い。
そんな雰囲気を十分に感じさせてくれるバレルのアルバムがこれ。Kenny Burrell『Kenny Burrell Vol.2』(写真左)。1956年3月の録音。ビ・バップからハードバップへの移行期の録音。そんなことをビンビンに感じさせてくれる音世界である。
米国西海岸ジャズの洒脱で小粋なギターというよりは、硬派で太くてアーバンなギター。なるほど、米国東海岸ジャズの個性がプンプン漂う雰囲気が良い。
冒頭の「Get Happy」。スイング時代からのスタンダードでちょっと宗教的な感じの歌詞をもった曲です。ピアノがトミー・フラナガン、ベースがポール・チェンバース、ドラムがケニー・クラーク、そしてキャンディドのコンガ。内容的にはハードバップですが、さすがにアーバンなバレル。歌心満点のエンタテインメントなフレーズが実に都会的です。
ジャケットはアンディー・ウォーホル、単純な線画ながら非常に印象的なイラスト。このジャケットの雰囲気がこれまた良い。いかにもブルーノート・レーベルという感じで、このジャケットだけでも買いです。
大きさ的には、LPサイズが最高。ウォーホルの線画の良さを堪能できます。RVGシリーズの紙ジャケCDも丁寧に作られていて、雰囲気があって良いです。プラケースはちょっとなあ(笑)。
ハードバップなジャズを十二分に感じされてくれるバレルのギター。意外とスピード感もあって、速いフレーズも聴き応え満点。録音も良好、音の響きは明らかにブルーノート・レーベル。録音技師ルディ・バン・ゲルダーの腕が冴えてます。
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私もこのアルバムが大好きです。^^昔「擬似ステレオ盤」のLPで購入しました。当時はまだ結構擬似ステ盤のLPも多かったですが、それなりに独特の雰囲気(音場感)があり好きでした。しかし後年CDで「オリジナル・モノラル盤で聴いた時には少し違和感を感じたものでした。笑
このバレルのコンピは実に素晴らしい選曲ですよね。この中ではソロの
「バットノットフォーミー」も大好きでした。ヴァーブ盤のソロの「枯葉」も好きです。^^v
他にもケニーダラム盤からの「メキシコシティ」も印象的です。
若い頃、バーニーケッセルの「枯葉」(ブラックライオン)と並んで私のジャズギター開眼?となりました。
追伸
先日マスターがご紹介の「メインストリームのサンボーン」盤早速聴いてみました。とてもよい!ですね。ありがとうございます。^^
投稿: おっちゃん | 2015年6月11日 (木曜日) 09時24分
こんばんは、「おっちゃん」さん。松和のマスターです。
私のジャズ・ギターの最初のアイドルがこのケニー・バレルでした。
特に、ブルーノートの諸作は大好きで、今でもバレルのギターを聴く
と、ホッとしますね〜。
そうそう、メインストリームのサンボーン、良いでしょう。バーチャ
ル音楽喫茶『松和』ではヘビロテ盤になっています。
投稿: 松和のマスター | 2015年6月11日 (木曜日) 21時18分