浮遊感のある硬派な音世界です
ジャズ者初心者の頃、どうにもコッテコテにファンキーでジャジーな純ジャズ・ギターが苦手だった。何だか古めかしく聴こえて、どうにもいけない。純ジャズな正統派ジャズ・ギターを愛でるなんて、懐古趣味のお爺さんの様な感じがして、しばらくの間、敬遠していた。
もともと高校時代は「ロック・キッズ」。プログレと米国ルーツ・ロック(サザンロックやスワンプ等)が大好きだったこともあって、ファンクネスが希薄で、ジャジーな要素を極力除いた、米国ルーツ・ミュージックを基調としたフォーキーで牧歌的な、ネーチャーな響きのするギターが好きだった。という切り口から、まず「パット・メセニー」に手を染めていた。
そういう偏った話を、例の「秘密の喫茶店」のママさんはニコニコ笑って聞いていた。そして、このアルバムを持ってきた。Steve Khan『Eyewitness』(写真左)。1981年のリリース。僕は大学4回生。ちなみにパーソネルは、Steve Khan (g), Anthony Jackson (b), Steve Jordan (ds), Manolo Badrena (per)。元々は日本制作のアルバムであった。
邦題『目撃者』。うん、この邦題を見れば、当時のことをありありと思い出す。スティーブ・カーンのギターが実に良かった。僕の好みにぴったりフィット。さすがは「秘密の喫茶店」のママである(そう言えば、最近、思い出したのだが、ママは吉田羊に似ている)。
音の雰囲気はフュージョン・ジャズなんだが、聴き進めると意外と硬派な内容にグイグイ惹き込まれる。切れ味良く、爽快感抜群。変に捻れること無く、ストレートなエレギの響きは清々しい。スティーブ・カーンの浮遊感のある硬派な音世界が実に個性的。浮遊感満載なんだが、地に足着いた硬派なフレーズが格好良い。
加えて、ベースのアンソニー・ジャクソンが激しく良い。躍動感溢れるジャクソンのエレベ。ジャコ・パストリアスと双璧をなす、ジャズ・エレベの重鎮。エレベの果たすべき役割、楽器に秘めた可能性、骨太な歌心。こういうエレベがバックで支えるからこそ、フロントのカーンのエレギが冴えに冴えるのだ。
このアルバムの音世界は、一度「はまる」と癖になる。流麗で清々しい浮遊感溢れる切れ味の良いエレギは僕の好みにピッタリでした。今でもちょくちょく聴きます。しかし、このアルバム、結構、長い間廃盤状態だったんですよね。勿体ないことでした。最近ではダウンロード・サイトで入手出来るみたいで、喜ばしいことです.
★震災から4年3ヶ月。決して忘れない。まだ4年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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