こんなアルバムあったんや・43
クラブ・ジャズ界の大御所DJが早くから注目、手放しで称賛。フィンランドはヘルシンキから生まれた5人組ジャズクインテット「The Five Corners Quintet」。現代のクラブ・ジャズの先端の音。
このアルバムでワールド・デビューした。The Five Corners Quintet『Chasin’ the Jazz Gone By』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Teppo Makynen(テッポ・マネキン)(ds), Jukka Eskola(ユッカ・エスコラ)(tp), Timo Lassy(ティモ・ラッシー)(sax), Anti Lotjonenon(アンチ・ロッジョネン)(b), Michael Jacobson(ミカエル・ヤコブセン)(p)。2005年8月のリリース。
1960年代のジャズの響きがプンプン漂う。ラテン・ジャズ、ソウル・ジャズ、ファンキー・ジャズ、モード・ジャズ等々、1960年代のジャズのトレンドがごった煮に、かつクールに取り込まれたグルーヴ。
1960年代、米国のニューヨークを中心に展開された、ラテン・ジャズ、ソウル・ジャズ、ファンキー・ジャズ、モード・ジャズ等々が、2000年代にヨーロッパの北欧、フィンランドでリコンパイルされて、21世紀の最新型ジャズとして再提示された。
まあ、タイトルが「過ぎ去りしジャズを求めて」やからねえ。しかし、良く出来たクラブ・ジャズ盤である。1960年代の音のトレンドではあるが、演奏自体は洗練された21世紀最先端の音。しかし、音像はデジタルの切れ味の良いものを敢えて排除して、少しざらつきのある、アナログっぽい、人間っぽい暖かみ、丸みのある音を選んでいる。
格好良さと耳当たりの良さ、ノリの良さとクールな展開が同居した「温故知新なジャズ」である。昔のジャズのトレンドでありながら、音の展開、音の響きは最先端。クラブ・ジャズの面目躍如である。とにかく「格好良い」の一言。
3曲でフィーチャーされるマーク・マーフィーの洒脱な歌声も魅力的だ。ポップな雰囲気がドッと前面に押し出てきて、実にファンキーでダンサフルな雰囲気に突然、支配される。そこはかとないファンクネス、とめどなく流れるグルーヴ。
凄く良い雰囲気です。古き良きジャズをモチーフにしながらも、現代のクラブユースにも応える「温故知新ジャズ」。一聴の価値ありです。クラブ・ジャズだからといって敬遠することなかれ。この切り口では、ジャズはまだまだ進化している、ジャズはまだまだ「死んではいない」。
震災から4年。決して忘れない。まだ4年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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