マックス・ローチの代表作です
最近、天才ドラマー、トニー・ウィリアムスのリーダー作を何枚かご紹介したこともあって、ドラマーのリーダー作をちょびちょび聴き直している。ロリンズのブルーノート盤を聴いていて、ジャズ・ドラマーと言えば、マックス・ローチがいたなあ、と思い立って、彼のリーダー作を幾枚か、聴き直している。
そんな中、やはり、マックス・ローチの代表作と言えば、Max Roach『Drums Unlimited』(写真左)。邦題は『限りなきドラム』。なんだか雰囲気のある邦題で、僕は気に入っている。1965年10月と1966年4月の録音。
マックス・ローチはドラマーが故にリーダー盤の数は多くない。そんな数少ないリーダー盤の中で、僕が一番聴いてきたのは、この『限りなきドラム』。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Freddie Hubbard (tp), Roland Alexander (ss), James Spaulding (as), Ronnie Mathews (p), Jymie Merritt (b)。
この『限りなきドラム』のジャケットって実に味わいがあって、マックス・ローチの黒縁メガネ、凄く地味なセーター、こんな姿がジャケットの表面を飾るって、ジャズの世界でしかありませんよね(笑)。でも、なんだか雰囲気があって、ジャズらしくて、これはこれで実は気に入っています。
ドラムの教則本のようなアルバムで、ジャズ・ドラムのテクニックの全てを披露してくれているような、めくるめくドラミングの世界。冒頭の「The Drum Allso Walltzes」を聴けば一聴瞭然。ローチのドラムソロから、このアルバムはいきなり始まります。さすがはドラマーがリーダーのアルバムです(笑)。
2曲目の「Nommo」は、実に硬派なハード・バップ・チューン。そこはかとなくフリーキーな要素も見え隠れして、音楽的にも前進するローチの姿を捉えていて、なかなか気持ちの良い演奏です。
ローチのドラミングといえば、テクニックは素晴らしいのですが、どこか不安定部分が見え隠れして、精緻かつ正確無比なドラミングとは言い難いところがあります。しかしながら、このソロアルバムでのローチのドラミングは実に出来が良く、かなりのテクニックを披露しながらも安定しています。
そういう面からも、このアルバムは彼の代表作と言えましょう。このアルバムを聴くと、ローチのドラミングが「モダンジャズ・ドラミングの祖」と言われるのも納得できます。ローチのドラミングの良い面がギッシリ詰まった好盤ですね。
ラストの「In the Red (A Christmas Carol)」の演奏が、1966年の録音だけあって、かなりフリー・ジャズしているので、ジャズ者初心者の方々にはちょっとお勧めできないかな。
でも、ジャズ鑑賞を趣味にしている方については、一度は聴いてみる価値のある「ドラマーがリーダーのアルバム」です。ちなみに録音も実に良好です。
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マスターこんにちわ^^
マックスローチといいますと、私はむしろ「正確無比」なドラマーとゆーイメージです。(~o~)
それと「皮の張りがいつもパンパンでハイトーンなチューニング」というのをいつも感じていましたが、たしか「クリちゃん~マックス」(~o~)のエマーシーのコンピ盤(名前はわすれましたが現代の若手ドラマーの選曲盤でした)でその若手ドラマーがこのことを特筆していましたね。
あれだけスキンの張りが強いと、ほとんど「堅い机」で練習している?ようなものだと思うので、テクのごまかしはきかないだらうなあ・・なんて。
ついでながら、「レコード史上最速の4ビートテンポ」のハードバップ録音は、ロリンズの「Eクイック」(たしか::)(マックスローチ)だ、と雑誌で読んだ記憶があります。
投稿: おっちゃん | 2015年3月15日 (日曜日) 15時26分