ドゥービー兄弟は眠らない
ドゥービー・ブラザース。訳して「大麻兄弟」。振り返ってみれば、凄いネーミングのバンドである。1960年代後半から1970年代まで、ウェストコースト・ロックを代表するバンドのひとつ。1982年に一旦、解散したが、1989年、正式に再結成し、今日に至る。
バンド当初の野性味あふれる快活なギター・ロックから、途中、マイケル・マクドナルドの加入により、R&Bの影響を受け洗練されたAOR色の強いものへと変化。硬軟併せ持った、二つの顔を持つ、ウェストコースト・ロックの代表格。
そんなドゥービー・ブラザースが、昨年11月、カントリー・ミュージック界の人気アーティスト達を迎えた新スタジオ・アルバム『Southbound』(写真左)をリリースした。これがまあ、往年のドゥービー者にとっては、なかなか充実した内容なのだ。
内容的には、楽曲毎に異なるアーティストを迎えたコラボレーション・カントリー・ミュージック・アルバムとなっており、ドゥービー・ブラザーズが過去に発表した楽曲を取り上げたセルフ・カバー集。このセルフ・カバーというのが良い。
収録曲と共演のカントリー・ミュージック界からの人気アーティストは以下の通り。
冒頭の「Black Water」から、続く「Listen to the Music」、そして「What a Fool Believes」から「Long Train Runnin'」、これでもうお腹いっぱいなんだが、さらに「China Grove」から「Takin' It to the Streets」、加えて「Jesus Is Just Alright」と畳みかける。8曲目の「Rockin' Down the Highway」で一息つくが、続いて「Take Me in Your Arms」が出てきて、思わず「仰け反る」(笑)。
1. Black Water (with Zac Brown Band)
2. Listen to the Music
(with Blake Shelton and Hunter Hayes on Guitar)
3. What a Fool Believes (with Sara Evans)
4. Long Train Runnin' (with Toby Keith)
5. China Grove (with Chris Young)
6. Takin' It to the Streets (with Love and Theft)
7. Jesus Is Just Alright (with Casey James)
8. Rockin' Down the Highway (with Brad Paisley)
9. Take Me in Your Arms (Rock Me) (with Tyler Farr)
10. South City Midnight Lady (with Jerrod Niemann)
11. You Belong to Me
(with Amanda Sudano Ramirez of the band Johnnyswim
with Vince Gill on guitar)
12. Nobody Intro13 Nobody (with Charlie Worsham)
10曲目の「South City Midnight Lady」以降は、もう「どうにでもなれ」である(笑)。目眩くドゥービー・ブラザースの名曲の数々がズラリと並ぶ。そして、それぞれの楽曲のカントリー・ミュージック界の人気アーティストが絡むのだから、米国ルーツ・ミュージックのマニアとしては堪らない。
ドゥービー自体の演奏も良い。アルバム全編に渡って、元気な歌声、演奏を聴かせてくれています。単純に嬉しいですね。原曲のアレンジに忠実にセルフ・カバーしてくれていて、これまた単純に嬉しい。ボーカルをカントリー・ミュージック界の人気アーティストが担当している分、新しい雰囲気も垣間見えて、飽きが来ません。
いや〜、ドゥービー・ブラザースは眠らないね〜。こんな企画もののセルフ・カバー集が出てくるとは思いませんでした。意外性が高かった分、このアルバムは実に楽しめます。気軽にチョイスして、気軽に聴ける、往年のウェストコースト・ロックの雰囲気が味わえる好盤です。
震災から3年10ヶ月。決して忘れない。まだ3年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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