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2014年12月 9日 (火曜日)

この盤でのモブレーも無敵である 『Roll Call』

ハンク・モブレーというテナー奏者は出来不出来の差が激しい。そんなモブレーが、ブルーノート・レーベルで絶好調に吹きまくるアルバムを3つ選択して、誰が呼んだか「ハンクモブレー3部作」。

その3枚とは『Soul Station(BLP 4031)』『Roll Call(BLP 4058)』『Workout(BLP 4080)』の3枚。『Soul Station』は、2014年11月20日のブログ(左をクリック)で、『Workout』は、2014年12月3日のブログ(左をクリック)でご紹介した。今日は3部作のラストの『Roll Call』である。

さて、Hank Mobley『Roll Call』(写真左)。ブルーノートの4058番。1960年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), Hank Mobley (ts), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Art Blakey (ds)。

当時ジャズ・メッセンジャーズを率いて人気のドラマー、アート・ブレイキーの参加が目を惹く。このアート・ブレイキー、キャリア的にはブルーノート・レーベルのハウス・ドラマー的存在で、ブルーノート・レーベルのアルバムにかなりの頻度で参加している。

そんなリーダー格として申し分ないブレイキーが参加して、演奏全体の統率はブレイキーにお願いして、モブレーは自らのテナーを吹きまくることに専念している様なこの『Roll Call』。ベースはチェンバース、ピアノはケリーと気心知れた仲間で、モブレーとしては申し分の無い録音環境である。

冒頭のタイトル曲「Roll Call」を聴けば、そんな「良い雰囲気」が良くわかる。出だしは、ブレイキーの「ナイアガラ瀑布」と形容されるドラム・ロールから始まる。なんだかジャズ・メッセンジャーズの演奏が始まるようだが、モブレーのテナーが出てくると、ちょっと違うな、という感じになる。
 

Roll_call

 
モブレーのテナーは、ファンクネスが軽い。ジャズ・メッセンジャーズの音はファンクネスが濃厚なので、モブレーのテナーが出てくると、ブレイキーのドラムが出てきても、決して、ジャズ・メッセンジャーズの音にならないのが面白い。

この『Roll Call』でのモブレーは元気一杯、テクニックも優秀、速い曲もスローなバラードも、ガッチリとポジティブに吹き上げていく。このアルバムでのモブレーは絶好調。ワンホーンでも良かったのではないか、と思われる位の好調さ。

逆に、トランペットのハバードはちょっと吹き過ぎ。当時22歳。若さ故ということだろうが、とにかく大きな音で、過剰なテクニックで吹き過ぎ。このアルバムって、モブレーのリーダー作なんだから、モブレーより大きな音で吹いたらあかんやろう、と思うんだが、とにかくそんなこと関係無く、吹きまくる吹きまくる。

このハバードの存在がマイナス点だが、そんな傍若無人なハバードのブロウにも動じずに、モブレーは吹きまくる。神経質なモブレーにしては意外だが、録音当時、モブレーは30歳。年長の功で吹き過ぎのハバードをスルーしたんだろう。ブレイキーに「気にするな」とアドバイスされたのかもしれない。

誰が呼んだか「ハンク・モブレー3部作」。『Soul Station』『Roll Call』『Workout』の3枚でのモブレーは絶好調。「ハンク・モブレー3部作」でのモブレーは、いずれも「無敵」である。
 
 
 
★震災から3年8ヶ月。決して忘れない。まだ3年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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