サンタナ単独名義のインスト盤
カルロス・サンタナの1970年代の音源を聴き直している。グループとしての「サンタナ」名義のアルバムは目出度く聴き直し完了。変わって、カルロス・サンタナ個人名義のアルバムを聴き直している。
Carlos Santana『Oneness - Silver Dreams Golden Reality』(写真)。1979年リリースのスピリチュアルでプログレッシブな、スケールの大きい壮大なロック絵巻。サンタナは個人名義で「スピリチュアルなフュージョン・ロック」なアルバムを幾枚かリリースしているが、このアルバムはそんな中の一枚。カルロス・サンタナ単独名義は「初」だったかな。
ジャケットの石仏の写真(これは圧巻ですね)とアルバム冒頭の「The Chosen Hour」の出だしの「チーン」という鐘の音だけで、これはカルロス・サンタナお得意の「スピリチュアルな音世界」が広がるんだな、と身構える。どんなスピリチュアルな音世界になるのか、ハードでアブストラクトな音はちょっと嫌やなあ、とか思いつつ恐る恐る聴き進める。
2曲目の「Arise Awake」以降、目眩くプログレッシブなスケールの大きい壮大なフュージョン・ロックが展開される。しかも、サンタナのエレギ弾きまくり。サンタナのギター・フレーズを構成する音楽的要素、ブルース、ラテン、ジャズ、ポップ、クロスオーバーなどの全てが織り交ぜられたギター・インストは圧巻です。
平均3〜4分の比較的短い曲が15曲続く構成で、音の印象や展開が適度に変化するので、ギター・インスト中心の演奏ですが、アルバム全体を聴き通す中で、決して飽きが来ません。特に1曲目の「Chosen Hour」から6曲目の「Victory」までは、大阪でのライブテイクが収録されていて、エモーショナルかつプログレッシブな展開と疾走感が素晴らしい。
70年代ロックの世界では、ギター・インストと言えば、ジェフ・ベックの名前とアルバムが必ず出てきますが、どうして、このカルロス・サンタナのギター・インスト盤は、ジェフ・ベックのギター・インスト盤と比肩するレベルの高いものです。僕は、この『ワンネス』というギター・インスト盤が日本であまり評価されていないのが意外です。
スピリチュアルで宗教色が濃いところがネックなんでしょうか。まあ、リリース当時は「ロックに宗教色を持ち込むなんて」とか「ロックにスピリチュアルな表現はいらない」とか、結構、辛辣に揶揄されたので、その影響が大きかったのでしょうね。心ない評論って、今から振り返れば、結構な「営業妨害」ですね(笑)。
でも、この『ワンネス』は、宗教色、スピリチュアルな側面もあっさりしていて、十分にギター・インスト盤として、純粋に楽しめるものです。カルロス・サンタナの目眩くギター・インストの世界を堪能して下さい。
震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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