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2014年7月 1日 (火曜日)

続「追悼、ホレス・シルバー」

去る2014年6月18日、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニスト、ジャズ・レジェンドの一人、ホレス・シルバーが逝去した。ジャズを聴き始めて今年で37年目。ジャズ者初心者の時代から、ホレスのピアノを聴き親しんで来た自分にとっては、とても悲しい出来事であった。

そこで、最近は、何かにつけ「追悼、ホレス・シルバー」として、ホレス・シルバーゆかりのアルバムを物色しては聴いている。今日は、Dee Dee Bridgewater『Love And Peace: A Tribute To Horace Silver』(写真左)。僕の大好きな女性ジャズ・ボーカリスト、ディー・ディー・ブリッジウォーター(略してディーディー)のホレス・シルバー・トリビュートなアルバムである。

1994年12月の録音。1995年9月のリリース。バック・ミュージシャンは知らない顔ばかり。それでも極上のファンキー・ジャズ・ボーカルが展開されている。「Nica's Dream」と「Song for My Father」の2曲で、ホレス・シルバー御大自身がピアノを弾いて居る。加えて「Filthy McNasty」と「The Jody Grind」では、ジャズ・レジェンド、オルガンのジミー・スミスが参加している。

ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)は、1950年5月生まれ。今年で64歳、このホレス・トリビュートのアルバムを録音した時は44歳。ジャズ・ボーカリストとして成熟し始めた、一番、良い時期の録音になる。テネシー州メンフィス出身。土地柄から、随分若い頃から、ジャズを歌い始めていたらしい。ボーカリストとしてのキャリアのスタートは1972年。
 

Deedee_love_and_peace

 
僕は、このディーディーのボーカルがお気に入り。ジャズ者初心者の頃、1979年頃からずっとお気に入り。歌って踊れる女性ジャズ・ボーカリストとしての彼女が大のお気に入りだった。が、当時、ジャズ者の先輩からは「際物」呼ばわりされて憤慨したのを覚えている。そう言えば、女性ジャズ・ボーカリストって、立ちつくして歌うのが標準のスタイルだったなあ。つまり、歌って踊るなんて、以ての外だったらしい(笑)。

でも、僕はディーディーのボーカルが好き。ファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルに、ダンサフルなリズム&ビート。ディーディーのボーカルは、1970年代の若かりし頃より、エネルギッシュでファンキーだった。正統派の純ジャズなボーカルというよりは、フュージョンでコンテンポラリーなジャズ・ボーカルの類である。

そんなディーディーが歌いまくる、ホレス・シルバー・トリビュートな曲曲曲。ディーディーのファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルが、ホレスのファンクネス溢れる楽曲にピッタリ。むっちゃ雰囲気の良いボーカルがてんこ盛りです。

ホレスの手なる曲は、どれもがノリが良くて、ファンキー。ディーディーのボーカルはダイナミックでパワフル。ホレスの曲のファンクネスとディーディーのパワフルな歌唱との相性がとても良く、ディーディー自身、思いっきりノリノリのボーカルを全編に渡って聴かせてくれます。

全13曲、あっと言う間に聴き終えてしまいます。これぞ、現代の、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルと言えましょう。ホレスの楽曲に歌詞を付けて唄ったボーカル・アルバムとしては白眉の出来です。「追悼、ホレス・シルバー」として格好のアルバムですね。良いアルバムです。
 
 
 
★震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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