「追悼、ホレス・シルバー」です
ホレス・シルバーが鬼籍に入りました。2014年6月18日に逝去、85歳。ホレス・シルバーは、コネチカット州ノーウォーク出身のジャズ・ピアニスト。ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニストでした。最近、活動の情報が伝わって来なかったので、ちょっと心配していた矢先の訃報だった。
ホレスのピアノは、叩き出すフレーズというフレーズにファンクネスを湛え、ホレスのピアノはファンキーそのもの。ファンキーなピアノとは如何なるものか、と問われれば、僕は、このホレスの代表作を2〜3枚、聴いて貰うことにしています。
そんなホレスが遂に鬼籍に入ってしまいました。残念です。最近、生存するジャズ・レジェンドが次々と鬼籍に入っていくので、ちょっと精神的に参ってしまいますよね。元気に演奏していた、若いことから馴れ親しんでいたジャズ・レジェンドが鬼籍に入るのを見届けるのは辛いものがあります。
さて、そんなホレス・シルバーを追悼するに相応しいアルバムは、と思い、色々とCD棚を物色してみました。ブルーノート時代のハードバップなリーダー作は当然なんですが、僕は、このアルバムのホレスのプレイが好きで、今回、追悼・ホレス・シルバーとしては、この1997年リリースの『A Prescription For The Blues』(写真左)を選択しました。
この『A Prescription For The Blues』は、邦題は『ブルースに処方箋』。1997年5月の録音になります。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Randy Brecker (tp), Michael Brecker (ts), Ron Carter (b), Louis Hayes (ds)。
ホレスに、ベースのロン、ドラムのヘイズというベテランというか、ジャズ・レジェンド級のピアノ・トリオをリズム・セクションに、ランディとマイケルのブレッカー兄弟がフロントを張るという魅力的な布陣です。
アルバム全体の雰囲気は、ファンクネス溢れるハードバップ大会。まず、ホレスとロン、ヘイズのピアノ・トリオのファンクネス溢れる展開がアルバム全体の雰囲気をガッチリと固める。そして、ブレッカー兄弟の登場である。これだけ、ファンキー・ハードバップな雰囲気で固められているのだ。ブレッカー兄弟もそれに応えなければならない。
いやいや、素晴らしいですね。ランディのペット、マイケルのテナー、どちらも思いっきりハードバップしています。しかも、これだけファンクネスを漂わせたアドリブが展開できるなんて、ちょっとした驚きです。器用というより才能でしょう。実に懐の深い演奏を繰り広げていて良い雰囲気です。
そう言えば、ブレッカー兄弟って、若いころ、彼らはホレスのバンドに在籍していたことを思い出しました。道理でファンキー・ジャズにフィットするはずです。納得。
このアルバムでの、ホレス御大のプレイについては申し分ありません。1997年と言えば、1928年生まれのホレスは69歳。レジェンドの域に達したホレスのプレイはもはや揺るぎはありません。ファンクネス抜群のバップなピアノを叩き出して行きます。
ホレスのピアノは、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性。これは意外と唯一無二。実に個性溢れるファンキー・ピアニストでした。多くのリーダー作を残してくれているので、彼のファンキー・ピアノを愛でるには事欠きませんが、彼の元気な姿を見ることが出来無くなると思うと、やはりちょっと寂しいですね。合掌。
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