ブラコン度の高いベンソン盤
今年の梅雨は男性的。というか思いっきり男性的。我が千葉県北瀬部地方も、梅雨入り宣言があった途端にほとんど雨の日々。地方によっては集中豪雨。ほとんど晴れることは無く、どんより曇りか雨の毎日。
これだけ雨が降ると、湿気も凄くて毎日ジメジメ。天気の悪さも手伝って、なんだか気分が滅入ってくる。気分が滅入って、人生、ろくな事は無い。何か景気付けになる音楽は無いのかと物色を始める。
やはり、僕にとっての景気付けのジャズは、フュージョン・ジャズ。何かノリが良くてスカッとするフュージョン・ジャズは無いのか、と物色していたら、ふと「ジョージ・ベンソン」が頭に浮かんだ。
ジョージ・ベンソンとは、フュージョン・ジャズの巨人で、デビュー当時は、ウエス・モンゴメリーの再来と言われ、ハイ・テクニックでセミアコを弾きまくるその様は、確かにウエスの再来という感じがする。しかし、そのウエスの再来は、徐々に歌い始めるのだ。そして、歌うフュージョン・ギタリストとして、大人気を博することになる。
その「歌うフュージョン・ギタリスト」としての人気を確立するのが、1976年リリースの『Breezin'』。冒頭のタイトル曲はシングル曲としても大ヒットした。爽やかな飛翔感溢れるギターの調べとノリの良いリズム・セクションが素晴らしかった。
で、今日、景気付けのフュージョン・ジャズとして選んだのが、このGeorge Bensonの『In Flight』(写真左)。先の大ヒットアルバム『Breezin'』の次のアルバム。1977年のリリースになる。バック・ミュージシャンは、ベンソン馴染みのスタジオ・ミュージシャンで占められているらしく、知った名前は、Harvey Mason (ds), Ralph MacDonald (per) くらいかな。
それでも、この『In Flight』というアルバム、芳しきファンクネスが色濃く漂い、ブラック・コンテンポラリー度がとても高い。ジョージ・ベンソンは、歌うギタリストとして、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズで一世を風靡した印象が強いが、実は、彼のギターとボーカルは、ブラコン度が高いものが多い。
加えて、この『In Flight』、ベンソンがギターを弾きまくっている。適度に太く、高テクニックで弾きまくるセミアコは爽快感抜群。アドリブ・フレーズもキャッチャーで聴き終えた後、スカッとする。太く、テクニック良く、ブラコン度が高いセミアコを聴かせるアルバムとしては、この『In Flight』が一番だと感じている。
アルバムの内容はとてもこなれている。それもそのはず、このアルバムは『Breezin'』に続く、フュージョン・ジャズのヒットアルバム請負人トミー・リピューマのプロデュース。確かに良くプロデュースされている。
けれど、Claus Ogermanの指揮だからといって、このアルバムにストリグスは要らなかったと思う。ベンソンのアルバムの中でも、ブラコン度がかなり高いアルバムである。そんな濃ファンクネスでR&Bなアルバムに甘いストリングスは似合わない。このストリングスの存在だけが、この『In Flight』というアルバムのマイナス要素である。
ファンクネス漂い、ブラコン度が高い、フュージョン・ジャズとしてほど良くプロデュースされたアルバムである。内容的にも徹頭徹尾ノリが良く、聴いていて爽快感抜群。実は、この『In Flight』というアルバム、僕にとっては、ベンソンのかなり高位に位置するお気に入りのアルバムなのだ。
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