プログレなボストンのアルバム
昨年の12月の事になるが、ボストンが11年ぶりの新作『Life, Love & Hope』をリリースした。いやいや、懐かしいバンド名である。今となっては、ボストンというバンド名を知っているロック者は数少ないだろう。
ボストン(Boston) は、トム・ショルツによる作詞作曲、編曲、演奏、サウンド・エンジニアリング、総合プロデュースとレコーディング・プロセスの殆ど全てを行ったソロ・プロジェクト。代表的なアルバムは、『Boston (幻想飛行)』『Don't Look Back』の2枚が挙げられる(2008年9月7日のブログ参照・左をクリック)。
アルバムのジャケットにある「No Computers」「No Synthesizer Used」とか「ハンドクラップは全て本物の手拍子」のクレジットが「ヲタク」度を増幅させる(笑)。この「ボストン」がプログレッシブ・ロックの範疇に属するのか否かという議論を良く聞いた。
確かに最初の2枚『Boston (幻想飛行)』『Don't Look Back』はプログレッシブ・ロックかと問われれば躊躇する。インスト中心ではあるんだが、曲はそう長くなく、組曲風でもない。歌詞は思索的どころか、青春ドラマのように判り易く、クラシックやジャズの要素はほとんど無い。良質なアメリカン・ポップ・ロックとした方がすわりが良かった。
しかし、僕がボストンの最高傑作として愛聴している『Third Stage』(写真左)は、完璧にプログレッシブ・ロックの範疇に属する名盤である。1978年リリースの『ドント・ルック・バック』以降、音沙汰の無かったボストンが、1986年に突如として、スタジオアルバムをリリースした。それがこの『Third Stage』である。
1986年という時代、プログレッシブ・ロックはほぼ絶滅していた。なんとか生き存えていたのはイエスとキング・クリムゾンくらい。他は絶滅したといって良い。そんな時代に、ボストンは完璧にプログレなアルバムを唐突に世に問うている。本当に不思議なトム・ショルツである(笑)。
プログレッシブ・ロックの定義は、演奏形態は「インストルメンタル中心」で、「曲が長く(つまり長尺モノということ)、歌詞は思索的であり(つまりは理屈っぽく)、クラシックやジャズの要素がふんだんに散りばめられており(つまりはアーティスティック)、しかも、変速拍子の嵐(単調でなく、バラエティに富む)」。そして、曲の展開は仰々しく、メリハリがあってドラマチック。
このボストンの『Third Stage』は、このプログレッシブ・ロックの定義をほぼ満たしている。しかも、先達のどのプログレ・バンドにも全く似ていない、どのプログレ・アルバムの引用も無い、ボストンならではの個性をアルバムに満載している。これが「偉い」(笑)。プログレッシブ・ロックな演奏として全く新しい音なのだ。
このアルバムを入手したのは、1986年にアルバムがリリースされた10年後、1996年にCDで入手した。あまり期待せず、ボストンというバンド名が懐かしくて入手に踏み切ったのだが、これが望外の内容で、ビックリするやら嬉しいやら(笑)。往年のプログレ者の僕としては、思いっきり溜飲を下げたのだった。
ジャケット・デザインもシンプルで素敵。ジャケットも明らかにプログレッシブ・ロックしていますね。良いアルバムです。
大震災から3年2ヶ月。決して忘れない。まだ3年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。
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