« ウィントンの盤はしっかり選ぶ | トップページ | トレンドに乗ったサンタナ »

2014年4月29日 (火曜日)

魅力的な若かりし頃のウィントン

ウィントン・マルサリスがメジャー・デビューを飾った年が1981年。アルバム『Wynton Marsalis』、邦題『ウィントン・マルサリスの肖像』であった(2007年12月10日のブログ・左をクリック)。この初リーダー作でのデビューには、当時、ビックリしたのを覚えている。とにかく上手い。そして、トランペットを素晴らしく魅力的に鳴らし切っている。そして、アドリブ・ラインの魅力的なこと。惚れ惚れした。

メジャー・デビュー当時、ウィントンは弱冠20歳。弱冠20歳でこのパフォーマンスには驚いた。確かにこの時代、若かりし頃のウィントンは相当に魅力的なトランペッターだった。一心不乱に吹きまくるウィントンは素晴らしい。特に、そんな若かりし頃の魅力的なパフォーマンスを愛でるにはライブ盤が一番相応しい。

ここに『With Art Blakey's Messengers I』(写真左)と『With Art Blakey's Messengers II』(写真右)の2枚のライブ盤がある。ウィントンが、アート・ブレイキーが主宰する「Jazz Messengers」に所属していた時代のライブ音源である。

1980年10月、フロリダのレストランでの録音になる。ちなみにパーソネルは、Wynton Marsalis (tp), Bobby Watson (as), Charles Fambrough (b), Jimmy Williams (p), Billy Pierce (ts), Art Blakey (ds)。Art Blakey & Jazz Messengersとしてのライブ演奏である。

演奏内容としては、コッテコテのハードバップである。1980年のジャズ・メッセンジャーズ。まずまずの演奏内容であり、まずまずの演奏レベルである。そんな中、さすがである、ウィントン・マルサリスのトランペットとアート・ブレイキー御大のドラムが突出している。後のメンバーはまずまずの出来かな。突出はしていないが平凡では無い。
 

Wynton_with_art_blakey_12

 
とにかくバリバリに吹きまくる19歳のウィントンが魅力的である。まだ弱冠19歳なので、バリバリ吹きまくるアドリブ・フレーズに音のニュアンスとしての深みは感じられない。とにかく最高なテクニックで吹きまくる。しかし、そのテクニックのレベルが半端ではない。恐らく、ジャズ史上の最高レベルに匹敵するテクニック。思わず、クリフォード・ブラウン、フレディ・ハバードを想起する。

Art Blakey & Jazz Messengersとしてのライブ演奏なので、演奏される曲のほどんどがスタンダード曲なのも嬉しい。ウィントンの非凡なスタンダード曲の解釈が良く判る。これが19歳の解釈であり、これが19歳での演奏なのか、と感じ入ってしまう。メジャー/デビュー当時、天才ウィントンと謳われたのも改めて納得出来る。

このライブ盤『With Art Blakey's Messengers I & II』については、準ブートレグ的なアルバムであり、様々なジャケットで販売されていたり、CD2枚組にまとめて販売されていたりで実に紛らわしい。もし、このライブ音源を所望するのであれば、是非とも間違わずに選んで欲しいなあ、と願っています。

ウィントンの若かりし頃の魅力的なパフォーマンスを愛でるにはライブ盤が一番相応しい。というか、ウィントンの本質を確認するにはライブ・パフォーマンスが一番。ライブ・パフォーマンスにおいては、そのジャズメンの本質が如実に表れる。ウィントンは熱い魂と矜持を持ったジャズ・トランペッターである。

 
 

大震災から3年1ヶ月。決して忘れない。まだ3年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ウィントンの盤はしっかり選ぶ | トップページ | トレンドに乗ったサンタナ »

コメント

松和のマスター様 こんばんは

聴いてみましたが、19歳とは思えない吹きっぷりで
Moanin' もとても豪快でした。

これが準ブートレグとは凄いですね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 魅力的な若かりし頃のウィントン:

« ウィントンの盤はしっかり選ぶ | トップページ | トレンドに乗ったサンタナ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー