耳を休める癒やしの女性ボーカル
最近、第二期エレ・マイルス、ハードバップ後期のアコ・マイルス、チック・コリアの最新ライブ盤、はたまた、ジャズ界の強烈な個性、ローランド・カークの初期のリーダー作など、結構、ハードで硬派なジャズを聴き込んでいる。
と、さすがに耳が疲れてくる(笑)。ハードで硬派なジャズではあるが、内容が濃く、テクニックもあって、聴いていて疲れることはないんだが、演奏のテンションが半端では無い。この「高テンション」が、耳を疲れさせるのだ。
耳が疲れたな〜、と思ったら、ジャズ以外のジャンルであれば、70年代ロックやJポップに走る。ジャズに留まるのであれば、女性ボーカルに走る。やっぱり、耳を休める癒やしのジャズは「女性ボーカル」。しかも、ハードな正統派女性ボーカルはちょっとなあ。ポップでキュートな女性ボーカルが良い。
ポップでキュートと来れば、ボサノバ・ジャズがパッと浮かぶ。ホンワカしていて爽やかで、適度に明るくリズミカル。ボサノバ・ジャズの女性ボーカルって、耳休めにピッタリ。
加えて、馴染みの無い曲ばかりのボサノバ・ジャズの女性ボーカルは、ちょっと困る。知っている曲で、知っているフレーズを一緒に口ずさめる位のポピュラーな曲をカバっているアルバムが良い。つまり、そんな「選曲」が決め手。
そんな要件にぴったりのアルバムが、菊丘ひろみ『Café Da Praia』(写真左)。邦題は『カフェ・ダ・プライア~海辺のCafe』。半年ほど前に入手したのかな。このアルバムは、耳を休める癒やしのポップでキュートな女性ボーカル盤として、活躍して貰っています。
ブラジルの名曲、ロック&ポップスの馴染みの名曲が、実にポップ。冒頭「O Gol Da Maria(マリアのゴール)」はポルトガル語での歌唱。ポルトガル語独特の響きが実にエキゾチックでポップ。ライトなボサノバ・ジャズなバックに乗って、ホンワカしていて爽やかで、適度に明るくリズミカルな菊丘の歌唱は実に和む。
特に、ロック&ポップスの馴染みの名曲のカバーが良い。バックのアレンジはボサノバ風。そんなバックに乗って、カーペンターズの「Close To You(遙かなる影)」、ビートルズの「A Hard Day's Night(ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)」、エルヴィス・プレスリーの「Can't Help Fallin' In Love(好きにならずにいられない)」、そして、サザン・オールスターズの「真夏の果実」が英語で歌われる。
これがなかなか秀逸。思わず聴いていてニンマリしてしまう。アレンジが良いのだろう、どの曲もポップでキュート。しっかりとボサノバ・ジャズしている、これらロック&ポップスの名曲の数々。良い雰囲気です。聴きながら、ついつい、その馴染みのフレーズを口ずさんでしまいます。電車の中で聴くのには注意が必要です(笑)。
まあ、硬派なジャズ者の方々からすると、このライトなボサノバ・ジャズのアレンジに乗った、ロック&ポップスの馴染みの名曲のカバーは、ちょっと「キワモノ」扱いしたくなるでしょうね。でも、これ、良いですよ。リラックスして、あっけらかんと聴き流せます。ハードで硬派なジャズを聴き込んでいた空間の空気が「ガラッ」と変わります。
この空間の空気が「ガラッ」と変わるところが良いんですよね。ハードで硬派なジャズの高テンションに疲れた耳に、耳を休める癒やしのポップでキュートな女性ボーカル。本当に良い気分転換になります。一度お試しあれ。
大震災から2年11ヶ月。決して忘れない。まだ2年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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