トロンボーン4本にワクワクする
Super Trombone(スーパー・トロンボーン)とは、1995年、NYのトロンボーン奏者達により結成されたコンボ。ジャズでは脇役的なトロンボーンを主役に、4トロンボーン+ピアノ・ベース・ドラムスという7人編成の異色コンボである。
このSuper Tromboneの演奏って、ブラスバンドっぽくて、とても楽しいものばかり。誰にでも親しみ易く、聴き易いものばかり。あまり難しいことを考えること無く、楽しむことが出来るので、硬派なジャズを聴き続けた後のリラックスしたい時の耳直しに良く引っ張り出すアルバムです。
例えばこのSuper Trombone『Mission Impossible』(写真左)は、映画音楽特集。一度は聴いたことのある、ポピュラーな映画音楽がズラリと並んでます。これだけポピュラーな楽曲だと、ちょっとありきたりな俗っぽい展開になりがちなんですが、このスーパー・トロンボーンはそうはならない。
アレンジが秀逸で、さすがデビット・マシューズ御大、というところでしょうか。飽きの来ない、トロンボーンの音の特質を活かしたアレンジがアルバム全編に渡って効いています。まあ、ところどころ、マシューズ御大の「金太郎飴」的な展開が耳につくところもあるんですが、まあそれは「ご愛嬌」ということで流しています(笑)。
スーパー・トロンボーンというコンボ名を張っている位なので、トロンボーンそれぞれの演奏テクニックは素晴らしいものがあります。楽器的には難易度が高いとおもうんですが、いともたやすく難度の高いフレーズを吹きこなしていきます。アンサンブルも抜群。ユニゾン&ハーモニーの素晴らしさも特筆すべきレベル。
どこかで必ずや聴いたことがある、有名な映画音楽をトロンボーン4本でやる、という企画がピッタリとはまっています。アレンジもビッグバンドっぽいアレンジを踏襲して、音の厚みも十分で、聴いていて迫力があります。
トロンボーン4本のユニゾン&ハーモニーなんで、スピード感の面で如何なものか、と聴く前は心配しましたが、このスーバー・トロンボーン集団にとっては「杞憂」でしたね。疾走感も十分に感じられ、申し分ありません。
肩肘張らずにリラックスして楽しめる良いアルバムです。タイトル曲の「ミッション・インポッシブル(スパイ大作戦)」のテーマ部をトロンボーン4本でキメるところなどは、聴いていてワクワクします。そうそう、このアルバム、選曲もなかなか良いですよね。トロンボーン演奏の素晴らしさと相まって、アレンジとプロデュースの面でも優れた佳作だと思います。
トロンボーン4本がフロントのコンボなんて「キワモノ」と決めつけるなかれ。聴いてみたら意外と楽しいですよ。時には、あまり難しいことを考えること無く、楽しむことが出来るジャズも良いものです。
大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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