『Stan Getz with Guest Artist Laurindo Almeida』
意外と真冬の季節のボサノバ・ジャズも「オツ」なもの。暖かくした部屋の中で、バーボン片手に聴くボサノバ・ジャズはなかなかの雰囲気。ボサノバの軽快なリズムが、聴き手の心を暖かく包んでくれるようです。
ボサノバ・ジャズのアルバムの中でも、確かに、冬に良くかけるアルバムが何枚かある。特に、米国西海岸テナーの雄、スタン・ゲッツのテナーの音色は、僕にとっては、どうも「冬」の季節に合うらしく、この真冬の季節には、スタン・ゲッツのボサノバ・ジャズ系のアルバムをかける傾向にある。
そんな、冬にかけるスタン・ゲッツがらみのボサノバ・ジャズ系のアルバムの一枚が『Stan Getz with Guest Artist Laurindo Almeida』(写真左)。1963年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Stan Getz (ts), Laurindo Almeida (g), George Duvivier (b), José Paulo, Luiz Parga (per), Dave Bailey, Edison Machado, Jose Soorez (ds), Steve Kuhn (p/#6)。
ローリンド・アルメイダ(Laurindo Almeida)は、1917年生まれのブラジルのギタリスト。惜しくも1995年7月逝去しました。アルメイダは、生粋のボサノバ系ギタリストというよりは、ボサノバ・ジャズ系のギタリストという印象が強いですね。キャリアとしては、スタン・ケントン楽団への参加から、1970年代の米国西海岸のジャズ・ユニット「LA4」での活躍が記憶に残っている。テクニックはかなり高く、聴いていて爽快かつ深みのあるギターです。
さて、確かに、このアルバムは、ボサノバ・ジャズ系のアルバムなのに、夏にはあまりかけませんね〜。何故だろう(笑)。ゲッツのテナーの音色が意外と冬の季節に合うということと、ローリンド・アルメイダのギターの音色が暖かくて、蒸し暑い夏の最中に聴くよりは、寒い冬の季節の暖かい部屋の中で、ゆったりと聴く方がしっくりくるからでしょうか。
アルバム全体の印象は、一言で言うと「非常に出来が良いボサノバ・ジャズ」です。ボサノバ系のギタリストと、スタン・ゲッツのテナーとのコンビネーションとしては、かの有名な名盤『ゲッツ/ジルベルト』に匹敵する、レベルの高い、内容の濃いものです。
ローリンド・アルメイダのギターは、ラテン・ギターの中にボサノバがある、って感じで、ボサノバ・ギター一辺倒というより、ラテン・ギターという広い範疇で、バリエーションのある響きを聴かせてくれる。このアルメイダのギターの「バリエーションのある響き」が、ボサノバ・ジャズ一色のアルバムとはちょっと異なる、このアルバムに独特の雰囲気を醸し出している。
非常に出来が良いボサノバ・ジャズ盤であり、ボサノバ・ジャズの仕掛け人・クリード・テイラーのプロデュースで、メジャー・レーベルのヴァーヴからリリースされた盤でありながら、ボサノバ・ジャズ盤の紹介レビューに、このアルバムの名前が挙がらないのは、全くもって不思議です。ボサノバ・ジャズ盤としてお勧めのアルバムです。一聴あれ。
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