デュアン急逝を乗り越えて
第一期オールマン・ブラザース・バンド(以下略して「オールマンズ」)のライブは、やはり、デュアン・オールマン(写真右)の存命時代が素晴らしい。デュアン・オールマンのギターは鬼気迫るものがあり、ド迫力のパフォーマンスを堪能出来ます。しかし、この天才ギタリストは、アルバム2枚に跨がる名ライブ盤を残し、バイク事故が原因で他界することとなります。
一枚目は、泣く子も黙るライブ名盤『At Fillmore East』、邦題『フィルモア・イースト・ライヴ』。そして、もう一枚は『Eat a Peach』。デュアン・オールマンの存命中と他界後の、それぞれのスタジオ録音の新曲6曲と、1971年のライブ音源を収録した変則的な内容なアルバムであるが、この1971年のライブ音源が、『At Fillmore East』の未収録音源なのだ。
ここでは、このオールマンズが1972年に発表した通算4作目、スタジオ録音の新曲6曲と、1971年のライブ音源を収録した変則アルバム『Eat A Peach』(写真左)について語りたい。
さて、米国南部の「サザン・ロック」と呼ばれたジャンルを越えて「天才ロック・ギタリストの一人」と謳われたデュアン・オールマンは、このアルバム『Eat A Peach』の録音中、つかの間の休暇中にオートバイで事故に遭遇し他界。類い希な才能を持ったリーダーのあまりに早すぎる死は、メンバーに大きなショックを与えた。
故に、このアルバムは、デュアン入りの曲とデュアン抜きの曲とが混在する。しかし、だ。このアルバムも、オールマンズを代表する名盤となって、今でも燦然とその魅力を振りまいている。まず、1曲目の「Ain't Wastin' Time No More」を聴いて欲しい。テンションの高い余裕のあるワイルドな演奏。邦題は「時はもう無駄にできない」。デュアンを失った他のメンバーの覚悟が見てとれる。素晴らしい邦題だ。
この冒頭1曲目から3曲目までの「Ain't Wastin' Time No More」「Les Brers in A Minor」「Melissa」が、デュアン他界後、残されたメンバーでのスタジオ録音になる。
続く4曲目から6曲目である「Mountain Jam」「One Way Out」「Trouble No More」が、あのライブ名盤『At Fillmore East』でのライブの続編。さすが『フィルモア・イースト・ライヴ』の続編である。テンション高い、素晴らしいテクニックでのライブ演奏が繰り広げられている。この3曲は是非とも『At Fillmore East』と合わせて聴きたい。
そして、7曲目から9曲目、「Stand Back」「Blue Sky」「Little Martha」が、デュアン・オールマンが存命中のスタジオ録音。聴いてみて判るのは、どれもが素晴らしい演奏である、ということ。
その中でも、8曲目の「Blue Sky」。ディッキー・ベッツの曲であるが、当時のディッキーの恋人を想う曲で、しみじみとやさしい名曲だ。そして、最後の9曲目「Little Martha」。デュアンとディッキー、2人のみのギターデュオであるが、切ない美しさに満ち溢れていて、否が応にも、亡きデュアンに想いを馳せてしまう。
デュアン・オールマンという天才を失ったことは残念ではある。1970年代ロック界の損失と言って良い。が、デュアン亡き後も「オールマンズ」は「オールマンズ」だったことが、このアルバムの冒頭1曲目から3曲目までを聴けば良く判る。
デュアン・オールマンの存命中と他界後の、それぞれのスタジオ録音の新曲6曲と、1971年のライブ音源を収録した変則的な内容なアルバムではあるが、サザン・ロック特有のワイルドさと、良い意味でのルーズさとリラックスさが、このアルバムの中にぎっしりと詰まっている。
大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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