Xmasの音といえば「オルガン」
う〜んやっぱり、クリスマスは「オルガン」だねえ。若手テナーの雄、ハリー・アレンのクリスマス・アルバムは秀逸な出来だ。そのアルバムとは、Harry Allen『Christmas in Swingtime』(写真左)。
テナーのハリー・アレンが奏でるクリスマス・ソング・ブック。ちなみにパーソネルは、Harry Allen (ts), Jake Hanna (ds), John Pizzarelli (vo), Larry Goldings (org), Peter Bernstein (g)。録音時期は、なんと2000年8月(笑)。真夏にクリスマス・ソング・ブックを録音するって、どんな感じなんだろう。
もともと、クリスマスはキリスト教のもので、協会を中心にクリスマス・キャロルや礼拝が執り行われるわけだが、その中心になるのが聖歌。その聖歌隊のバックで、伴奏をとりもつものが「オルガン」。
しかし、このアルバムの様に、ジャズのクリスマス・アルバムに、ピタッとオルガンをはめられると、やっぱり、なんだかグッとくるものがある。やっぱり、クリスマス音楽と言えば「オルガン」だねえ。
Larry Goldings(ラリー・ゴールディングス)の、ややくぐもったような、丸いオルガンの音色をバックに、ハリーが、テナーで暖かく、優しく、長年、耳に馴染んだクリスマス・ソングの旋律を紡いでいく。
もともと、ハリーは、スタン・ゲッツやズート・シムスの流れを汲む、柔らかな、暖かみのあるテナーではあるが、聴いてみると判るのだが、どの音にもしっかりと芯があるのだ。
優しさの中に、がっちりとした強さがほのかに見え隠れする、僕の理想とする「本当の男」の音なのだ。なにも力の限り、馬のいななきのようにテナーを吹ききっていくだけが、ジャズのテナーではない。
さて、アルバムの話にもどると、どの曲も定番中の定番の曲ばかり、安心してきける曲ばかりである。ピアノが無い分、ハリーのテナーが映える。テナーが映えるということは、クリスマス・ソングの旋律が映えるということ。
どの曲も、このオルガンを入れたバンドの組み合わせが功を奏して「聴かせる演奏」ばかりだ。しかも、クリスマスにはやはり、歌ものが欲しい、という声に応えて、7曲目にプレスリーの歌唱で有名な「ブルー・クリスマス」が、ジョン・ピザレリのボーカル客演で入っているのが、これまた「にくい」。
クリスマスの企画モノだろ、なんて思っていると大間違いな、実にジャジーな優れものなアルバムです。企画モノといえば企画モノなアルバムですが、その演奏内容は素晴らしいものがあります。
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