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2013年11月15日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・46

久々に「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ。今日はその第46回目。今回は、とっても渋いジャズ・ギターのライブ盤をご紹介します。

晩秋のそぼ降る雨ほど、物寂しいものは無い。そんな物寂しさの中で聴くジャズ・ギターは心に沁みる。ピアノは寂し過ぎる。サックスは情緒が過ぎるし、トランペットはポジティブ過ぎる。ギターが丁度良い。晩秋のそぼ降る雨を窓に見ながら、そこはかとない物寂しさの中で聴くジャズ・ギターは心に沁みる。

例えば、Jimmy Raney『Jimmy Raney Visits Paris』(写真左)。シンプルな哀愁ギターが個性のジミー・レイニーのパリでのライブ盤。シンプルで地味なギターではあるが、熱いプレイが心に沁みる。

1954年2月10日、フランスはパリでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Jean-Marie Ingrand (b), Jean-Louis Viale (ds), Jimmy Raney (g), Maurice Vandair (p), Bobby Jaspar (ts), Roger Guerin (tp)。

ベルギー出身のテナー奏者、ボビー・ジャスパーは知っているが、ピアノ、ドラム、ベースのリズム・セクションは、全く知らない名前がズラリ。名前の綴りからして、地元のミュージシャンだと思われる(良く判らん・笑)。

白人ギタリストの代表格、ジミー・レイニーのギターは、ファンクネスや音の粘りや翳りが希薄で、テクニックを全面に押し出した、素直でシンプルで硬質なギター。1950年代にどっと現れた白人ギタリストの音である。明らかに、チャーリー・クリスチャンから派生したタル・ファーロウ〜バーニー・ケッセルの流れの中にある音です。
 

Jimmy_raney_paris

 
クールで硬質な音が特徴で、優れたテクニックと相まって、パキパキ感溢れるクールな高速フレーズが楽しい。派手さは無いんですが、イマジネーション溢れ、とても良く「唄うギター」です。

このシンプルで、ちょっと地味ではあるが、仄かに熱いプレイは凄く魅力的。特に、このアルバムはライブ盤なので、レイニーのプレイが何時になく熱い。バリバリと大向こう張って仰々しくギターを弾くタイプでは無い。シンプルに何気無く飄々と、シングル・トーンなインプロビゼーションを繰り広げる。
 
これが実に良い雰囲気なんですよね。硬質でメリハリのあるギターの音。芯がしっかりとある、シンプルではあるが骨太なフレーズ。音の輪郭がクッキリと浮き出て、ギターの音自体が、リズム・セクションの音をバックに、ポッカリと浮かび上がる様な雰囲気は実に素敵です。
 
ジミー・レイニーの傍らでフロントを務めるボビー・ジャスパーのテナーが、これまた良いのだ。溌剌とした、味のあるテナーを聴かせてくれる。欧州出身のテナー奏者らしく、ファンクネスや音の粘りや翳りが希薄で、ストレートでシンプルなブロウが、ジミー・レイニーのギターにピッタリ。実に相性の良いテナーである。

ジミー・レイニーって、日本では人気が無いですね。「地味」レイニーなんて、あまり有り難くないニックネームを頂戴している位で、かなり過小評価されていて残念です。

このライブ盤でのギターは実に魅力的。ファンクネスや音の粘りや翳りが希薄で、テクニックを全面に押し出した、素直でシンプルで硬質なギターは、日本人好みだと思うんですがね〜。

 
 

大震災から2年8ヶ月。決して忘れない。まだ2年8ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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