ビッグバンド・ジャズは楽し・22
今日は、久し振りに「ビッグバンド・ジャズは楽し」シリーズ。今日は第22回目。ディジー・ガレスピーの登場である。
ディジー・ガレスピーは、最高のトランペッター。しかし、そのテクニックと吹きっぷりとテンションが先行する印象で、演奏を楽しむよりも先に、演奏に聴き疲れてしまいがち。それが原因なのかどうか、どうもディジー・ガレスピーは、日本で人気が無い。
ハッピーなトランペットなところも人気の無いところかもしれない。日本では、どうも、スピーカーの間で腕組みしながら、眉間にしわを寄せて聴くようなジャズが好まれてきたからなのか、あっけらかんと楽しそうに、そのテクニックで「どうだい」と言わんばかりに大らかに吹くトランペッターはウケないのかもしれない。
でも、そのあっけらかんと楽しそうに、最高のテクニックを駆使してバリバリ吹きまくるディジーって素敵だと僕は思う。ジャズの求道者というよりは、ジャズのエンタテイナー。確かに、そのテクニックと吹きっぷりとテンションは、聴き続けると疲れる。でも、適度な長さのインプロビゼーションであれば、そんなに聴き疲れない。
ということで、適度な長さのインプロビゼーションのディジーと言えば、ビッグバンド編成でのディジー・ガレスピーである。ディジーは、偉大なる最高のトランペッターであるばかりか、大変優れたビッグバンド・リーダーでもあるのだ。確かに、ディジーがリーダーのビッグバンド編成の「内容のあるアルバム」は結構な数に登る。
例えば、今日聴いた、Dizzy Gillespie『Dizzy in Greece』(写真左)。このアルバムは、1956年5月-6月、1957年4月の録音で、録音場所はニューヨーク。なのに、なんで『ギリシャのディジー』というタイトルなのかが判らない不思議な盤。しかし、このアルバムでの、ディジーのビッグバンドは素晴らしい音なのだ。
ガレスピーがリーダーのコントロール下で、百花繚乱、狂喜乱舞しつながら、バリバリ吹きまくり、叩きまくるバンド・メンバーをバックに、ガレスピーの適度な長さのインプロビゼーションが突き抜ける。良いですね〜。ビッグバンドの音の塊が、ガレスピーのソロの音の塊と上手くバランスが取れていて、ディジーのトランペットが突出しないところが良いですね。
リー・モーガン、クインシー・ジョーンズ、ベニー・ゴルソン、アル・グレイ、フィル・ウッズ、ウィントン・ケリー等々、錚々たるメンバーを揃えたディジーのビックバンドは聴き応え満載です。バックのメンバーのソロも良く、ディジーのトランペットは素晴らしいのはもとより、ビッグバンド全体の演奏も良好なのが、このアルバムの聴きどころです。
1958年の名盤『Dizzy Gillespie at Newport』はこのアルバムでのビッグバンドの凱旋公演の模様をライブ録音したもの。なるほど、この『Dizzy in Greece』のビッグバンドな音が素晴らしいはずです。優れたビッグバンドをバックに従えたディジーのトランペットは実に聴き応えがあります。
ちなみに、1956年に、ディジーのビッグバンドが、実際にギリシャを演奏旅行で回ったという事実自体はあるそうです。ジャケットの写真はその時のなんでしょうか。エキゾチックな雰囲気で、なかなか印象的なジャケットですね。
大震災から2年7ヶ月。決して忘れない。まだ2年7ヶ月。常に関与し続ける。
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