『Rubycon』という傑作盤
ドイツ・プログレの雄、シンセ・ミュージックの老舗、タンジェリン・ドリーム。1974年、メジャーのVerginレーベルに移籍して以降、メロディアスなフレーズと、シーケンサーを活用したリズム&ビートを導入。グループ結成当初の現代音楽風な幽玄でフリーキーな音世界から、シンセサイザーを最大限に活用、拡がりのある幽玄なメロディーと展開を基本とした、プログレッシブ・ロック風の音世界を獲得した。
その最初の成果が、Verginレーベルに移籍第2作目、通算5枚目のアルバムである『Rubycon(ルビコン)』(写真左)。1975年のリリースになる。この『Rubycon』に収録された楽曲は、僕はFMでリアルタイムに聴いた経験がある。
当時は、このタンジェリン・ドリームの音世界は、プログレッシブ・ロックというよりも、単純にシンセサイザー・ミュージックとして捉えて聴いていた様に思う。
とにかく、ロック・バンドに必需品であるギター、ドラム、ベースが無い。シンセサイザーとシーケンサーをベースとした音楽である。1975年当時の、ロックを聴き始めて2年目の僕には、このタンジェリン・ドリームの音世界を的確に表現する知識を持ち合わせてはいなかった(笑)。
『Rubycon』の音世界は、じっくり聴き耳を立ててみると、最初は「歌のないピンク・フロイド」に感じる。確かに、フレーズのところどころに、ピンク・フロイドで聴いたことのある展開が顔を出す。思わずニンマリしてしまう。つまり、それだけ、タンジェリン・ドリームの音世界がメロディアスになって、聴き易くなったということである。
『Rubycon』は、1. Rubycon (Part One) と、2. Rubycon (Part Two) の2曲のみで構成される。LP時代は、A面に「Part One」を、B面に「Part Two」を配していた。この1曲17分程度の「長い曲」、そして、シンセサイザーを活用していること、観念的でスペーシーな拡がりと展開という特徴から、この音世界はプログレッシブ・ロックと評して良いと思う。
しかし、この長い曲を、タンジェリン・ドリームは、一気に退屈させずに聴かせてしまう。このアルバムの展開と構成、演奏テクニックは凄い。シンセサイザーのみの音世界は、無限の音とイメージの拡がりを感じさせ、幽玄な雰囲気を醸し出す。シーケンサーを活用したリズム&ビートは、ある種の心地良い緊張感を醸し出す。タンジェリン・ドリームのみが出すことの出来る、個性的な音世界。
タンジェリン・ドリームは、彼らのバンドの歴史の中で、幾度か、音世界のスタイルが変化していくんだが、僕達が真っ先にイメージする「タンジェリン・ドリームらしさ」が色濃いのはこの頃の作品でしょう。タンジェリン・ドリームの音世界の原点の一つを体感できる、素晴らしい作品だと思います。
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