ジャケ買い「海外女性編」その5
ジャズのアルバム・ジャケットの中で、今回は「一目惚れ・ジャケ買い」がテーマである。ジャズのアルバムには、何故か外国人女性の写真をあしらった、アーティスティックで、魅力的なアルバムを4枚ほどご紹介した。
今回からは、ちょっと目線を変えて「脚線美」をテーマに、「一目惚れ・ジャケ買い」な、アーティスティックで、魅力的なアルバムを何枚か、ご紹介したい。
ジャズのアルバム・ジャケットには、なぜか女性の美しい足を中心とした、優れたデザインのジャケットがある。僕は、70年代ロックのアルバム・コレクターでもあるのだが、ジャズの様に「女性の足」を中心としたジャケットってほとんど無い。ジャズならではのデザインなんだろう。そこで、今回のテーマが「脚線美の誘惑」(笑)。
ジャズのアルバム・ジャケットで「脚線美の誘惑」とくれば、ジャズ鑑賞のベテランの方々、皆、パッと浮かぶのが「これ」でしょう。ブルーノートの1588番、Sonny Clark『Cool Struttin'』(写真左)。
スリット入りのタイト・スカートを履いたキャリア・ウーマンらしき女性が、颯爽とマンハッタンを闊歩しているジャケット。く〜っ格好いい。しかも、白黒写真に白抜きの文字、そして、黄色の文字がさりげないアクセント。ジャズメンの写真を使わず、これだけインパクトのある、粋なセンスのジャケットはそうそう無いと思う。
クール・ストラッティン(Cool Struttin')とは、スラングで「いかした歩き方」てな意味になるそうな。やや短めのタイト・スカートから、太すぎず細すぎず、ほのかに色気漂う白い足と黒のスカート&パンプスの対比が実に素晴らしい。
この足の部分だけで美人を想像させるなんざぁ、いや〜小憎らしい演出である。CDサイズでもなかなかだが、LPジャケットサイズになると、迫力が増して、実に鑑賞に堪えうる、実に素晴らしいデザインとなるのだ。
さて、アルバムの中身の演奏と言えば「ジャケットの優れたアルバムに、ハズレは無い」。まず、ソニー・クラークのオリジナルが良い。ジャケット写真通りの「いかした歩き方」をジャズ演奏に置き換えたかの様な、覚えやすいメロディのタイトル曲がまず良い。ゆったりとしたテンポで、実にファンキーな演奏だ。
そして、マイナー調の2曲目「Blue Minor」でため息。このマイナー調のファンキーな演奏は、ハード・ バップ代表する名演だろう。ジャズの雰囲気バッチリです。あっという間にその世界に引き込まれてしまいます。
この冒頭2曲の演奏は実に強力。アート・ファーマーとジャッキー・マクリーンをフロントとする2管クインテットが素晴らしく、そのマクリーンの、ちょっとはずれたような泣きのアルトが情感たっぷりで大満足。
他の演奏もすこぶる好調で、ソニー・クラークのちょっと翳りのあるファンキーなピアノを愛でるに相応しい、優れた演奏ばかりです。しかし、どうしてこのアルバムが、アメリカのジャズ雑誌「ダウンビート」での初出時の評価が三つ星だったのか。日本では人気投票で常に上位に入る大名盤なのにね。
1958年録音の本作を聴くと、即座にハード・バップ全盛期にタイム・スリップ。とにかくこのアルバムには「これがハード・バップ、これがファンキー・ジャズ」といった当時の雰囲気が充満しているのだ。
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