ウエスはライブで輝きを増す 『Full House』
ウエスのアルバムを聴いていて、彼の個性である「親指によるピッキング」+「オクターヴ奏法」+「コード奏法」には、ただただ脱帽するばかりである。
ちなみに「親指によるピッキング」とは、ピックを一切使わず、親指で弦を弾くことです。この独特の奏法によ り生み出されるインパクトのあるその音色は、ウェス独特の雰囲気を演出しています。
「オクターブ奏法」とは、一つの弦でメロディーを弾くのではなく、1オクターブ離れた二つの音を同時に弾いて、ユニゾンによるメロディーを綴るというもので、それまでのギタリストが試みたことがなかったものです。
「コード奏法」とは、複雑なコードを駆使しながら、リズミックなフレーズをコードで綴ってゆくというもので、これは大変なテクニックを必要とします。聴いていても、これは複雑なことをしてるよな〜、って感心してしまいます。
その彼の個性である「親指によるピッキング」+「オクターヴ奏法」+「コード奏法」は、ライブで更に輝きを増す。その一例が このライブ盤。Wes Montgomery『Full House』(写真左)。カリフォルニア・バークレーにあった「ツボ」というライブ・ハウスでのライブ録音である。
1962年6月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Johnny Griffin (ts), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。グリフィンのテナーが入ったクインテット構成です。
ちなみに、このライブ・セッションで、ウエスがリズム・セクションに起用した、Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)の3人は、当時、マイルス・デイヴィスのバックを支える名手達。主役のウェスを思いっきり煽るような、ノリノリのバッキングを繰り広げています。また、グリフィンのテナーはウエスとの相性も良く、エキサイティングなプレイの連続で、我々を楽しませてくれます。
このライブ盤では、スタジオ録音以上のドライブ感で、ウエスの個性である「親指によるピッキング」+「オクターヴ奏法」+「コード奏法」が炸裂しています。炸裂しまくりです。凄い演奏です。くどくど理屈を並べる前に、まずは一聴を。 これこそ「百聞は一聴にしかず」です。
ちなみにここで裏話をひとつ。アルバム・タイトルでもある、冒頭の「Full House」の曲名の由来なんですが、これは当夜、彼らが演奏したライブ・ハウス「ツボ」が聴衆で埋まったところから、この題名が付けられたとのこと。トランプの「フル・ハウス」とは全く関係が無いそうです(笑)。
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