クロスオーバーなボサノバ・ジャズ 『Tide』
このところ、ボサノバ・ジャズのブームが続いています。この季節になると、ボサノバ・ジャズをピックアップして、集中してリイシューされるほどです。世知辛くて、不安定な時代、「癒し系」のジャンルとして、ボサノバ・ジャズは脚光を浴びているのでしょうか。
ということで、今月から、ボサノバ・ジャズのお気に入りアルバムを時々ピックアップして、このブログでご紹介していこうかと思います。で、今日は、Antonio Carlos Jobim『Tide(潮流)』(写真左)を採り上げてみました。
ボサノバ・ジャズの巨匠と言えば、やはり、アントニオ・カルロス・ジョビン。ジャズ界に、ボサノバ・ブームを呼び込んだのは、テナーのスタン・ゲッツと、ボサノバの巨匠アントニオ・カルロス・ジョビン。ボサノバ・ブームの発端は1964年の出来事だった訳だが、このアルバムは1970年の録音。ボサノバ・ジャズのブームが遠く去った時期の録音なんだが、これがなかなかの内容なのだ。
ジャズ界は、既にフュージョンの先駆けであるクロスオーバーのブームを迎えつつあって、このジョビンのアルバムは、そのクロスオーバー・ジャズ風のアレンジを全面に押し出したボサノバ・ジャズの名盤と言える。クロスオーバー・ジャズ風のアレンジを施されたボサノバ。これが意外と個性的で癖になる。
出だしの1曲目は、ボサノバの名曲「イパネマの娘」。この名曲をクロスオーバー・ジャズの寵児、デオダートがゴージャスに編曲したインスト・ヴァージョン。いやいや〜、これがなかなかに心地良いのだ。
ボサノバというフォーマットは、様々なジャンルのアレンジに柔軟に対応するみたいなんだが、このクロスオーバー・ジャズ的なアレンジの「イパネマの娘」、純ジャズ等、他のアレンジよりも、ずっとボサノバの旨味を引き出している。以降、デオダートのアレンジが全開で、どれもがゴージャスな、クロスオーバー・ジャズ風のアレンジを施されたボサノバ・ジャズのオンパレード。
純ジャズとは違って、リラックスして普段着感覚で聴き込めるような、そんな「ゆったりとした」ボサノバ・ジャズです。夏の夜、エアコンの効いた部屋で本を読みながらのBGMに、夏の朝、爽やかな朝風が吹き抜ける中、朝食を採りながらのBGMに、生活の中のボサノバ・ジャズって雰囲気が素敵なアルバムです。
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