こんなアルバムあったんや・20
Pietro Tonolo『Your Songs : The Music of Elton John』(写真左)。これは珍しいお洒落な盤である。英国が誇るシンガー・ソング・ライター&ロック・エンタテイナー、エルトン・ジョンの楽曲のカバー集である。
まず、バックに控えるトリオのメンバーが凄い。ジャズ界ではベテラン中のベテラン、スティーブ・スワロー (el-b) と ポール・モチアン (ds)、更に、パット・メセニーのブレーンでもあるギル・ゴールドスタイン (p,acc)。
テナーがフロントのジャズ・カルテットで、1970年代ロック&ポップスの最大のエンタテイナー、エルトン・ジョンの数々の名曲をカバーしているというだけで、僕達の世代は触手が伸びるが、加えてこの顔ぶれである。 絶対に触手が伸びるというもの。よって、見つけて、即、購入だった。
「つかみ」の最初の一曲目は「Bllue Eyes」。こいつは確か1982年リリースの『Jump Up!』収録の曲ではなかったか。良い雰囲気で美しい演奏。「つかみ」は、これでOK。このアルバムの内容が保証されたようなもの。良い演奏である。
3曲目は「Rocket Man」。このロックな曲をどうやってジャズに料理するのか。興味津々だったが、こういうスインギーなアレンジがあるのね、感心。4曲目は「Your Song」。この曲はエルトンの初期の名曲中の名曲で、ジャズでは良く取り上げられる曲だ。さすがに、こういう「歌ものバラード」にサックスはピッタリ。良い演奏だ。
そして、6曲目「Goodbye Yellllow Briick Road」。この名曲、どうやってジャズにするの、って感じの曲。 しかし、そんな心配など何処吹く風、このトノーロ率いるカルテットは、爽やかな風のように、飛ぶように泳ぐように、この名曲の旋律をジャズに紡いでいく。
全体を通して、エルトン・ジョンの名曲をかなり上手く料理しています。落ち着いた雰囲気の中で、名うての名手達が原曲を損ねることなく、ガッチリとジャズとして表現していく。エルトン・ジョンのジャズ・カバーとしては屈指の出来だと思います。
こうやって、21世紀のジャズの中で、新しいスタンダード曲が生まれていったら良いなあ、と思います。特に、70年代ロック&ポップスには、ジャズの新しいスタンダードになりうる名曲がゴロゴロしていますからね。密かに期待しています。
大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« 生粋のフュージョン・ギタリスト 『The Captain's Journey』 | トップページ | 夏はボサノバ・ジャズ・その16 『DREAM』小野リサ »
« 生粋のフュージョン・ギタリスト 『The Captain's Journey』 | トップページ | 夏はボサノバ・ジャズ・その16 『DREAM』小野リサ »
コメント