梅雨時のそぼ降る雨の日に
我が千葉県北西部地方も、いよいよ今年も梅雨入りである。朝から、空はどんより鉛色。今にも雨が降り出しそう。
こんな鉛色の曇り空や梅雨のそぼ降る雨に、なぜかピッタリ雰囲気の合うジャズ・コンボがある。Moden Jazz Quartet(以降MJQと略す)である。なぜか合うんですよ、曇った日や雨の日の部屋の中で聴くMJQは、実にしっくり来る。これって僕だけかなあ。
今日は、どんより鉛色の空を窓から眺めながら、MJQの『Three Windows』(写真左)を聴く。1987年3月の録音。ええっ、1987年の録音、と驚くジャズ者の方もいらしゃるかと。そう、間違い無く、1987年の録音です。アルバム・ジャケットには「FULL DEGITAL RECORDING」とある。デジタル録音と言えば1980年代。納得です。
ジャケットに「The Modern Jazz Quartet」の後に「The New york Chamber Symphony」とあるように、このアルバムは、MJQとクラシック・オーケストラとの共演盤です。
そう言えば、アルバム・タイトルの「Three Windows」は、映画「No Sun in Venice (大運河)」のサントラとして使われた曲ですね。MJQの『No Sun in Venice』にしっかりと収録されています。
この曲、ジョン・ルイスのオリジナルで、この曲の第1主題は「Golden Striker」、第2主題が「Cortege」、そして、第3主題が「The Rose Truc」と、3つの主題で成り立っているフーガ形式の組曲でした。
さすがに、クラシック・オーケストラとの共演だけに、このフーガ形式の組曲が実にしっくりときます。当然、MJQの演奏がメインなんですが、ジャズというよりは、モダンでクラシックな四重奏な演奏って感じです。
ジャズとクラシックの融合と聞くと、なんだか野心的な展開を想像するんですが、このアルバムはそんなことは全くありません。クラシック・オーケストラとMJQの間で、しっかりと役割分担がなされている。
その役割分担の中で、シンプルなアレンジが施されているだけの演奏です。とにかく、シンプルでスッキリとした演奏で、聴き疲れることは全く無く、耳にもたれることもありません。
す〜っと流れる様に展開する、クラシックの演奏方式が前面に押し出された演奏は、ジャズを聴くというよりは、ジャズの要素を取り入れたクラシックの洒落た演奏を聴く。そんな感じの優れものです。
僕は、このMJQとクラシック・オーケストラとの共演盤の中で、かのMJQの代表曲である「Dejango(ジャンゴ)」に限りない魅力を感じます。クラシック曲の様なアレンジが施された「ジャンゴ」はまるで変奏曲のような面持ちで、実に良い演奏です。
鉛色の曇り空や梅雨のそぼ降る雨に、なぜかピッタリ雰囲気の合うMJQ。今日は、クラシック・オーケストラとの共演盤『Three Windows』で、俗世間の嫌な事は忘れて、心ノンビリ。梅雨は嫌いですが、こうやって、なんとか梅雨の季節を楽しく過ごす技を、編み出しては試しています(笑)。
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