グレイト・ロック・クラシックス
いつの時代もロックの世界は「オリジナルが良し」とされる風潮がある。ましてやカバーなんてした時なんざあ、商業ロックに身を落とした志の低い奴と揶揄される。ポップスの世界ではカバーは容認されるんだが、ロックの世界では全く駄目。特に米国と日本で、その風潮が強いように感じる。
そうした、ロックの世界でのカバーであるが、なんとロッド・スチュワートが率先してカバーに走ったものだから大変。まずは、2002年より、ジャズのスタンダード・ナンバーをカバー。その後、様々なジャンルのスタンダード・ナンバーをカバーし、これまでにすべてのアルバムが全米TOP4入り。さらには全世界トータル・セールス2,000万枚という驚異的なセールスを記録。
まあ、ビジネスに魂を売ったとか、これは最早ロックでは無い、商業主義で安易に稼ぐヤツ、なんてことも言われたけれど、もともと、ロッド・スチュワートという人は、オリジナルな曲を作って歌う、というよりは、ロック界最高峰のシンガーという位置づけの人なんで、相応の年齢になって、様々なジャンルのスタンダード・ナンバーをカバーするというのは自然の成り行きなんだろうと思う。
そんなロッド・スチュワートのカバーアルバムの中で、さすが、ロック界最高峰のシンガーと再認識させてくれるカバー・アルバムが、『Still The Same...great Rock Classics of Our Time』(写真左)。邦題『グレイト・ロック・クラシックス』。2006年のリリース。
結論から言うと良い内容です。なんせ選曲が渋い。1970年代前半を中心に、本当の意味で「グレイト・ロック・クラシックス」な曲を選んでいるところが渋い。
ロッドと言えば、ソロアルバム時代の個性、ソウルフル、ブルージーなロックをパワフルに歌い上げる、という印象が強くて、ロックのスタンダード・ナンバーのカバーでも、その線で行くか、と思いきや、これが「行かない」んですね(笑)。さすがロッドです。それだと、ソロ・アルバムと変わらんやん、と思う訳です。
意外と原曲の雰囲気そのままに、素直に歌い上げているなあ、という印象です。この素直さが魅力。原曲の雰囲気もしっかり伝えて、それぞれの曲の持つ「あの頃の想い出」を想起させつつ、ロッドの個性的で優れたボーカルでじっくり聴かせる。原曲を素直にカバーしている割に、かなり聴き応えがあります。さすが、ロック界最高峰のシンガーです。
個人的には、冒頭のCCRの「Have You Ever Seen The Rain(雨を見たかい)」、4曲目のボブ・シーガーの「Still The Same」、9曲目のイーグルスの「The Best Of My Love」、13曲目のヴァン・モリソンの「Crazy Love」のカバーに心ときめきます。
商業主義だとか、なんやかんや言われながらも、このアルバムは、2006年10月28日付で、全米(ビルボード誌)アルバムチャートで1位を獲得しています。まあ、なんやかんや言われながらも、ロッドのボーカリストとしての実力は、ロック界最高峰であり、彼の歌う曲は、やはりどれをとっても素晴らしいということでしょう。
大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« ピアノ・トリオの安心ブランド 『Can't See for Lookin'』 | トップページ | 『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く »
« ピアノ・トリオの安心ブランド 『Can't See for Lookin'』 | トップページ | 『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く »
コメント