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2013年4月 1日 (月曜日)

ジャズ・ロックには春が良い

春になると、ジャズ・ロックが聴きたくなる。というか、ジャズ・ロックは春に似合う。夏は8ビートが暑苦しくていけないし、秋はジャズ独特の哀愁を帯びたマイナー調のフレーズが淋しくていけない。冬はジャズ・ロック独特の音の隙間が寒くていけない。

ジャズ・ロックには春が良い。明るい8ビートが春風にピッタリ。ジャズ独特の哀愁を帯びたマイナー調のフレーズも、そこはかとない春の儚さをイメージさせて、なかなか良い。ジャズ・ロック独特の音の隙間も清々しく感じるから不思議だ。

そんなジャズ・ロックの中でも、更に春にバッチリ合うアルバムが幾つかある。そんな中の一枚が、Gary Burton『Duster』(写真左)。1967年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Larry Coryell (g), Steve Swallow (b), Roy Haynes (ds)。

ロック調らしい疾走感溢れる展開の曲も、緩やかで静的なアブストラクトな展開の曲も、明るくポジティブな曲も、インプロビゼーションが中心のジャジーな展開の曲も、どこか軽快で明るくて、清々しくて爽快な雰囲気で、そんなところが春の雰囲気にピッタリとフィットするんだろう。

そして、恐らくは、ゲイリー・バートンのヴァイブの音が、そう、ジャズには珍しい、ヴァイブの透明感があってリリカルで爽快感のある音が、きっと春の雰囲気にバッチリと合うんだろう。確かに、このアルバム『Duster』を聴いていて強く思う。春の雰囲気に、8ビートに乗ったヴァイブの音がバッチリと合うんだ。
 

Gary_burton_duster

 
そして、当時、まだ無名だったギターのラリー・コリエルの音が良い。正統派でリリカルでシャープな音と、ちょっとアブストラクトで、少しくすんで捻れている音が、春の持つ優しさとそこに潜む狂気を感じさせて、これまた春の雰囲気にバッチリと合う。

意外と今の耳で聴いても古さは感じない。エレクトリックな楽器の音は確かに古いが、それは仕方が無い。でも、演奏全体のアレンジ、グループサウンズの展開、メンバーそれぞれのインプロビゼーション、どれもがなかなか格好良いのだ。

8ビート基調のシンプルなリズム&ビート中に、ジャズ独特の複雑な音のテイストが漂っていて、これがなかなか格好良い。演奏のテクニック、レベル共に高く、かなり複雑な展開も楽々とこなしているところが凄い。

ゲイリー・バートンのジャズ・ロックなアルバムには優れたものが多い。このブログでも、これまでの幾枚かご紹介している。 2007年6月9日のブログ(左をクリック)で『Alone At Last』、2008年2月14日のブログ(左をクリック)で『Gary Burton & Keith Jarrett』、2008年2月18日のブログ(左をクリック)で『The New Quartet』。いずれもジャズ・ロックの佳作として十分に楽しめます。

そんな中で、今回ご紹介の『Duster』は、曲、演奏共にピカイチの内容です。ジャズ・ロックのファンの方には是非ともお薦め。良い感じのジャズ・ロックです。
 
 
 
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Never_giveup_4

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