フォーカスは捨てておけない存在
Focus(フォーカス)とは、オランダ出身の70年代を代表するプログレッシブ・ロック・バンドである。1970年、Thijs Van Leer(タイス・バン・レアー)とJan Akkerman(ヤン・アッカーマン)を核として、ベースギター(Martijn Dresden:結成時)、ドラム(HansCleuver:結成時)の4名で結成された。
バンドは初のシングルヒット「悪魔の呪文 : HOCUS POCUS(71年、英国では72年)、セカンドヒット「シルビア」(72年)で、欧米を中心にその勇名を轟かせた。73年、英国の音楽雑誌「メロディーメーカー」による人気投票では、各部門にフォーカスのメンバーが選出されている。とくにヤンがエリック・クラプトン、スティーブ・ハウらを押さえてギタリストNo.1に選ばれたことは、当時、驚くべきニュースだった。
でも、日本ではマイナーな存在でしたね〜。当時のロック雑誌「ミュージックライフ」や「ロッキンオン」などにちょっと紹介されるだけ。高校時代リアルタイムで70年代ロック小僧だった僕たちでも、フォーカスとはオランダのプログレッシブ・ロックなバンド位しか知識が無かった。でも、これって結構ディープな方だったなあ。
そんな状況の中、ふとした切っ掛けで購入した『The Best of Focus』なるタイトルのベスト盤を購入してぶっ飛んだ。なんて素晴らしいインスト・バンドなんだ。確かに内容的にはプログレッシブ・ロック。しかし、さすがに欧州はオランダ出身のバンド。プログレな演奏のメインは、クロスオーバーなジャズであったり、クラシックであったりする。このいかにもヨーロピアンな音作りが実に僕の心に響いた。
大学に入って、ジャズに走っても、このフォーカスのインスト・プログレは聴いたなあ。クロスオーバーなジャズの雰囲気を漂わせているところとクラシック風の印象的でメロディアスな旋律が実に良くて、大学時代、フォーカスは聴いた。まあ、周りで僕だけやったけど・・・(笑)。それほど、知る人ぞ知る、っていう感じのマニアックなプログレ・バンドだった。
そんなフォーカスのアルバムの中で、一番のお気に入りは、と言えば、やっぱり僕にとっては『Focus 3』(写真左)だろう。LP時代は2枚組の大作で、当時、高校生の僕には手が出ませんでした。やっとこさ、大学に入って、バイト代を叩いて買いました(笑)。
このアルバム、フォーカスのプログレ・インストが心ゆくまで堪能出来る内容で、まず、1曲目「Round Goes The Gossip」は、疾走感溢れる、テクニックを駆使したプログレならではの名演で度肝を抜かれる。2曲目は打って変わって、実にロマンティックでバラードチックな演奏にガラリと変わって、タイスのフルートとヤンの生ギターが美しい「Love Remembered」。
そしてそして、続いて、ヤンのギター、タイスのオルガンとヨーデルヴォイスが炸裂する、そのキャッチなフレーズが、実に美しい、僕の大好きな「Sylvia」。カーニバルの雰囲気が楽しい、そのまんまの題名「Carnival Fugue」。
続くは、なんといっても繊細な演奏とダイナミックな展開で聴き手を圧倒する名演「Focus3」。この「Focus3」が良い。ドラマチックな展開、素晴らしいテクニックのインスト、キャチャーな旋律、ヨーロピアン・プログレの名曲・名演である。
後半は「Answers? Questions! Questions? Answers!」、グループ一体となった力作大作が続く。間に、フォーカスの特徴である、ヨーロピアン・ロマンティシズム溢れる小曲「Elspeth Of Nottingham」を挟んで、ラストは、メンバーそれぞれの、ふんだんなソロパートで構成される「Anonymus Two」で幕を閉じる。
後半の大作部分は、ちょっと散漫で、冗長ではあるが、アルバム全体から見て、このアルバムがフォーカスの代表作と言って差し支えないだろう。フュージョン・ジャズやクロスオーバー・ジャズのマニアの皆さんに是非お勧め。ジャズロックなプログレ・バンドとして、このオランダ出身のフォーカスは捨てておけない存在だと思います。
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1974年のアルバム ハンバーガー.コンチェルト よく聴いています。
投稿: サネヒロgym | 2016年9月21日 (水曜日) 16時28分